10月のPOS価格、定番商品は全般に「下げ」強まる展開に

全国のスーパーにおける10月の主な酒類のPOS平均価格(SKU単位)が明らかになった。前年に比べ「下げ」はいよいよ激しくなってきたようにみえる。約85%の品目で「▲」の展開で、新ジャンル、甲類、清酒は全商品で下げている。このうち、甲類は前月差でも全商品で下げになっており、催事の増える秋冬へ向け、価格での訴求に動いたともみえる。10月はビール類は季節商品の投入などでプラスとされているが、レギュラーの価格がジリ下げは変わらっていない。特に新ジャンルでその傾向が強いだろうか。

もっとも動きの良いだろうウイスキーで下げの局面が最も穏やかにみえる。秋冬で需要を喚起したい和酒は、清酒が一斉にジリ下げを続けており、乙類も値上げで前年よりは上がっている商品もあるが、月毎にはジリジリ下げており、ここで取り上げているボリュームゾーンの定番品はどうしてもこうした展開になる。消費が戻れば言うことはないのだろうが。

堅調なRTDも、定番商品はジリ下げできている。季節商品やフレーバーも多いので、全体として活気があるのはレギュラー品も救われる。酒類のどのカテゴリーも季節商品や限定商材で市場を活性化し、レギュラーにも好影響を与えたいとは思っているはずで、それがこの秋冬では顕著な動きになるだろう。10月はハロウィンが定着し、全体を押し上げる意味でも、トレンドの動きも見逃せない。

10月は、53銘柄のうち、前年同期比で上げが6銘柄、下げが45銘柄(比較不可が2銘柄)。9月に比べ、上げが5減、下げは3増となった。全国のスーパー約880店舗のPOSデータ(KSP-SP社調べ、当月は979店舗)をもとに、SKU単位による10月のPOS平均価格を集計した(カテゴリーごとのランキングは資料面で順次掲載)。