10月の清酒出荷は3.8%減、吟醸は7.8%増、1~10月全体は1.3%減

日本酒造組合中央会がまとめた10月の清酒出荷数量は前年同期比3.8%減の4万8,733klとなった。9月(2.1%増)に4カ月ぶりの増加となっていたが需要期の10月にマイナスへ転じた。要因はボリュームゾーンの一般酒(6.4%減)と本醸造酒(5.1%減)の減少に尽きる。一般酒は前年10月0.2%減からのマイナスで、本醸造に至っては前年10月5.7%減からの減少になっている。

吟醸酒は前年同月と同じ増加幅を維持しており、今年10月は7.8%増、純米酒も前年が2ケタに近い増加から今年も4.7%増と好調だ。

1~10月では、全体が1.3%減。これは前年1~10月(1.3%減)と同じ減少幅でジリ下げの傾向が続いている。吟醸酒は2ケタ増をキープ、純米酒も4.3%増となっている。

10月単月の主産地は、減少が目立つ。ただ、京都(3.7%減)、兵庫(5.2%減)はボリュームゾーンが減少傾向なのは仕方ないが吟醸、純米は伸ばしている。他の県も傾向は同じだが、 

新潟は吟醸、純米も減少しており、市場全体の冷え込みも考えられようか。10月増加したのは福島(0.7%増)ぐらいで、堅調だった宮城(2.1%減)も本醸造、一般酒の減少幅が大きかった。少し特異なのは、愛知(8.0%減)と広島(3.5%減)で、ともに本醸造は伸ばしながら一般酒が大きく減り、純米酒も減少している。大きく伸ばしたのは山口(35.3%増)で、吟醸、純米が全体の8割を占め、好調を続けている。佐賀(9.6%増)は本醸造だけ減っているが、一般酒(6.3%増)も増やしている珍しい事態となっている。