10月の九州本格焼酎出荷は4.2%減、1~10月では1.3%減

九州本格焼酎協議会がまとめた10月の九州7県における本格焼酎出荷数量(課税移出数量)は、合計で前年比4.2%減の3万5,857klとなった。9月(0.8%増)は増えていたが、本格需要期を迎え、再び減少に戻った。内訳をみると、宮崎(前年10月16.9%増→今年10月3.6%増)は増加をキープしているが、鹿児島(4.7%減→7.4%減)の減少が止まらない。大分(7.2%増→7.1%減)は前年が伸びた裏ともみれるが、市場全体が重たい様子が想像できる。堅調だった福岡(4.4%増→12.2%減)も大幅減、熊本(4.8%減→2.7%減)も伸びてこない。

1~10月では全体が1.3%減(前年1~10月は1.7%増)。宮崎(9.4%増→3.4%増)、福岡(4.1%増→1.1%増)は増加を続けているが、鹿児島(3.7%減→4.4%減)、大分(0.5%減→2.0%減)、熊本(3.4%減→4.8%減)と沈んでいる。鹿児島は宮崎に総量で抜かれており、この奮起が無いと全体も上がってこない。11月、12月と市場が重たいなか、どこまで踏ん張れるかだが、現状のままだと前年よりも減少幅が大きくなるのは必至か。

今年はウイスキー、日本酒(地酒中心)、日本ワインと他の酒類カテゴリーで話題が多く、焼酎は全体に注目度が薄かった。定番の強みはあるが、何もせず全体の市場を減らすのは得策ではないだろう。話題喚起、その一言に尽きるだろうか。極端な長期熟成、高級品などインバウンドに寄せた商品などでも点の話題があっても、大きな波にはなりにくい。いまは後の爆発(ブーム)を待って虎視眈々と商品開発に努める時期なのか。「このままで蔵は減る一方」という指摘もあり、商売を好転させる仕掛けを望んでしまう。