ビール5社、2015累計課税出荷数量、ビール類が19年ぶり増加

2015年1~12月累計のビール5社のビール類課税出荷数量は、合計で前年比99.5%の4億2,492万c/s(大瓶20本換算)となった。ビールは100.1%で、1996年以来、19年ぶりのプラスとなった。発泡酒も100.3%と、機能系商品が牽引して2年連続のプラスとなった。一方、新ジャンルは2年連続のマイナスだった。

販売ベースでは、1~3月は、前年の消費増税にともなう駆け込み需要の反動で10%程度のマイナスでスタートした。5月の大型連休を中心に気候が良く、1~6月までで1.2%減まで戻していた。しかし、最盛期の7月が台風や天候不順、8月も猛暑に関わらずマイナスで、9月のビール大型商材があったが1~9月では1.4%減にまで下げ幅が拡大していた。10月、ビール新商材の好調でプラス、また12月が2.4%増の好調な出荷により、最終的に0.5%減で着地した。構成比は、前年比で、ビールが0.4ポイント(P)増、発泡酒が0.1P増、新ジャンルが0.4P減となった。なお、ビール缶容器は3年ぶりプラスの101.4%となった。

2015年間のメーカー間シェアは、アサヒビールが38.2%で、6年連続のトップ。キリンビールは6年ぶりにシェアを回復して33.4%。サントリーは、2010年以降、6年連続で過去最高シェアを更新し、15.7%となった。14年のシェアと比較すると、アサヒ変わらず、キリン0.2ポイント(P)増、サントリー0.3P増、サッポロ0.5P減、オリオン変わらずとなる。各社別にみると、アサヒは99.3%と微減だが、新ジャンルは102.4%と一番に伸ばした。「クリアアサヒ」が2ケタ増だった。キリンは100.2%と、07年以来8年ぶりプラスとなった。ビールは101.1%で、94年以来、21年ぶりのプラス。「一番搾り」が104.2%と牽引した。サントリーは101.8%で、4年連続で過去最高の出荷。「ザ・プレミアム・モルツ」に加えて、9月発売の「ザ・モルツ」が好調に推移した。サッポロは95.2%で4年ぶりのマイナスだが、「黒ラベル」は100.2%と、21年ぶりのプラスとなった。

各社、ビールに注力した1年となったが、今年もビール強化路線を打ち出しており、消費者の嗜好の変化と合わせて、「ビール復権」の年となる可能性は十分にありそうだ。