12月の酒類支出は3.1%減、増加はウイスキーのみ、ビール3.8%減-家計調査

総務省統計局がまとめた家計調査によれば、2015年12月の1世帯当たり(2人以上の世帯・農林漁家世帯含む)酒類消費支出額は3.1%減で、2カ月連続のマイナスとなった。最需要期に連続の減少は痛い。ただ、ビールメーカーは12月プラスとしており、家計調査との感触に違いが出ている。他の酒類も軒並みマイナス、でこちらは実需通りの数字だろうか。増加はウイスキーのみで、飲料の増加が際立つ。

ビールはメーカーサイドだと、前年(2014年)12月がプラスでハードルは低くなかったものの、プラスを達成しており、家計調査での3.8%減をどうみるか。単価(1.0%高)は上げているが、数量(4.7%減)の落ち込みは激しく、この辺りメーカーサイドが「政策的に在庫に厚みを持たせた」影響があるのかもしれない。

発泡酒・ビール風も数量(7.4%減)を大きく減らし、7.9%減。これだけみると実需のビール類は芳しいとはいえないが。

増加はウイスキーのみ、どこ吹く風で17.5%増。単価が久しぶりの上げで、実に10.3%高。数量(7.1%増)も伸びて、金額は2割近い増加となっている。

低迷するのは清酒。10~12月の需要期にいずれもマイナスで、12月は前年がプラスだったこともあるかもしれないが、単価(0.7%安)も下げて数量(4.8%増)も伸びなかった。ワインは7月以来の減少で、この3カ月は2ケタ増が続いていただけに不思議だ。単価(17.1%高)が跳ね上がり、数量を落とす傾向はこの2カ月のもので、催事の多い季節に良いワインを少量楽しむ傾向になったのか。

飲料は全体で6.4%増。茶類(3.8%増)が回復し、ジュース類(5.4%増)、コーヒー(11.2%増)も引き続き堅調だ。

なお、全国平均の1世帯当たり消費支出合計は実質前年比4.4%減で、4カ月連続の減少。食料計は0.1%増で2カ月ぶりの増加、飲料の増加が寄与した。外食は東京、大阪とも下げたが、全体は2.7%増。飲酒代は東京で大幅減。