主要食品メーカー19社の12月期決算、増収12社、減収6社

ビールーメーカー4社を含む主要食品メーカー19社の15年12月期決算(一部11月)が出揃った。連結売上は前年比較ができる18社中12社が増収、減収は6社と前年度より増収が2社減った。しかし営業利益は増益が6社増の13社、減収が6社減の4社(赤字1社)と好転した。ビール大手4社の売上高はキリンHDが微増にとどまったものの、他は増収。山崎製パンとキユーピーは過去最高の売上となった。コカ・コーラの東西2社も増収。

12月期決算の主なメーカー19社のうち、上位10社は全て増収(カゴメも同期比では微増)、下位に減収が目立った。各社の売上げ等は表参照。

単純に全社の売上高を合計すると11兆8811億円となり、前年比5・0%増(連結子会社2社を除くと4・4%増)。しかし大手の海外事業が押し上げた面が無視できない。

上位10社中、国内中心の山崎製パン、コカ・コーラボトラー2社、サントリーHDの子会社サントリー食品、決算期変更のカゴメを除く5社の国内外別の売上高を計算すると、国内の3・7%増に対して海外は6・8%増と高い伸び率を示した。国内中心の3社も伸びてはいるが、下位に減収が目立つことなどから12月期決算のメーカーの国内売上は3%台の伸びにとどまったのではないか。

一方、営業利益の増益は前年の7社から13社に増加した。サッポロHD以外は上位の全てが増益となった。好調な売上げと価格改定などが要因とみられる。ただ下位メーカーには厳しさがみられる。

各社の状況をみていく。サントリーHDはビール市場が苦戦する中で5%増と好調だったのをはじめ、ウイスキー、RTDが大幅に伸長した。飲料もトクホ商品や水が伸長した結果、国内事業は5%台の成長。海外は2ケタ増。キリンHDは売り上げ微増ながら営業利益は増益。ビール類とRTDが好調に推移、清涼飲料も「午後の紅茶」「メッツ」が好調で日本綜合飲料事業は3%増。しかしオセアニア、ブラジルの海外事業が苦戦した。

アサヒグループHDは売上高が全事業で増収を達成し、4期連続の過去最高を更新した。営業利益も増益。ビールは減少したが、ウイスキー、ワインが増収。サッポロHDは国内酒類事業のビール類の減少が大きく微減となったが、北米、アジアなど海外が好調で増収を達成した。

コカ・コーラボトラーのイーストとウエストの2社は連結子会社の増加もあったが既存の売上も増収。

山崎製パンは食パン、菓子パン、和菓子など各部門とも好調で、価格見直し効果もあって増収減益。売上は初めて1兆円を超えた。キユーピーも食品5事業、物流の全事業が増収し過去最高の売上。東アジアなど海外事業も大きく伸びた。