6月のPOS価格、全般に前年同月比「▲」が続く、ビール類、清酒下げ一色

全国のスーパーにおける6月の主な酒類のPOS平均価格(SKU単位)が明らかになった。前年同月比では、ウイスキーを除いて、「▲」一色の様相が強まっている。6月は大手のビールはプラス、発泡酒その他はマイナスの月だったが、ビール類の「▲」は弱まる気配がない。

消費の鈍い清酒も同様に、マイナス基調の動きが強まってみえる。構造的な問題ではあるが、それをプラスに捉える向きはなく、テコ入れを考えるなら、価格にならざるを得ない。地酒コーナーなどは各小売店とも積極的になっており、売場も華やかな店舗も少なくないが、パックに目を転じると、別世界の感じは否めない。「清酒」という括りでは、どちらも良いものだという訴求ができればと思うが、それが何より難しいし、欲しい人が欲しいものを手に届く棚割りで十分なのかもしれない。

焼酎もパック系の売場はいずれも活性化不足であるが、熊本の「白岳」は地震の応援需要もあって全国的には良い流れがあるという。価格も下がっていないのは特別な事情が背景にあろう。あとは流通的に強いものの勝敗は出ているとの指摘もあり、細かな値動きよりも、瓶のNBで話題喚起してパックに流れを持込たいというのが実情だろうか。

甲類はもう一つ、楽しみ方をドンドン広げれば若者商品も出ているから、「甲類」に捉われず、全体の棚に「楽しさ」が出ている仕掛けを期待したい。

6月は、52銘柄のうち、前年比で上げが8銘柄7銘柄、下げが42銘柄43銘柄(比較不可が2銘柄)。5月に比べ、上げが1銘柄増え、下げが1銘柄減った。下げ基調の強いビール類は夏場に向け、下げ幅を落としている。