厚労省「飲酒に関するガイドライン」、飲酒の際は純アルコール量に配慮、疾病別の飲酒量による発症リスクも公表

飲酒 イメージ
飲酒 イメージ

厚労省は2月19日、「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を公表した。

【関連記事】アサヒビール、1月30日から「スーパードライ」と「スーパードライ生ジョッキ缶」の春限定パッケージ発売

飲酒に伴うリスクに関する知識の普及の推進を図り、適切な飲酒量・飲酒行動の判断に役立てるため作成したもの。「お酒は、その伝統と文化が国民の生活に深く浸透している一方で、不適切な飲酒は健康障害等につながります」としている。

ガイドラインでは、飲酒の影響について、年齢・性別・体質等による違いや、飲酒による疾病・行動に関するリスクを示し、「飲酒量(純アルコール量)と健康に配慮した飲酒の仕方」を示した。

飲酒をする場合には、純アルコール量(g)を認識し、自身のアルコール摂取量を把握することが重要だとしている。酒類メーカーなどでは、商品パッケージやホームページでの商品ごとの純アルコール量表示が広がりつつある。

また、ガイドラインでは、現在の研究結果に基づいた「疾病別の発症リスクと飲酒量(純アルコール量)」を示している。

日本の疾病別の発症リスクと飲酒量(純アルコール量) 表
日本の疾病別の発症リスクと飲酒量(純アルコール量) 表

疾病リスクの他、具体的な、「避けるべき飲酒等」として、〈1〉一時多量飲酒、特に短時間の多量飲酒〈2〉他人への飲酒の強要等〈3〉不安や不眠を解消するための飲酒〈4〉病気等療養中の飲酒や服薬後の飲酒〈5〉飲酒中または飲酒後における運動・入浴などの体に負担のかかる行動――を挙げた。

〈純アルコール量(g)〉

純アルコール量は、「摂取量(ml)×アルコール濃度(度数/100)×0.8(アルコールの比重)」で計算できる。

例えば、アルコール5%のビールであれば、100ml当たりの純アルコール量は約4g、アルコール9%のストロング系のRTDでは100ml当たり約7.2g、アルコール20%の焼酎であれば100ml当たり約16gとなる。

◆飲酒量(純アルコール量)と発症リスク

厚労省の公表した中で、1日の飲酒量が最も少ない段階で発症リスクが高まるのは、男性の脳卒中(出血性)と大腸がん、前立腺がん(進行がん)が日に純アルコール量20g、女性の脳卒中(脳梗塞)が日に11gでリスクが高まるとしている。