中央畜産会が新年賀詞交歓会、「今年は体質強化、国際競争力強化への出発点」と中須勇雄副会長

畜産日報 2018年1月9日付
中央畜産会は5日、東京・文京区の東京ガーデンパレスで18年新年賀詞交歓会を開き、会員の畜産関係団体や行政関係者など220人が参加した。

開会のあいさつで中須勇雄副会長(代表理事)は、昨年のTPPや日EU・EPA交渉の大筋合意・妥結など畜産業界をめぐる国際化に触れ、「その意味で国内畜産にとっては、かつてないほどの市場開放が進んでゆく。これを切り開くために政府も様々な施策を講じているが、当会としてもその一翼を担って、皆さんが確りと経営ができるよう、経営体質の強化、国際競争力の強化に向けて進んでゆく。今年はそのための出発点の年といえる」と強調した。そのうえで、「良い話題としては、畜産物の輸出が皆さんの尽力でかなりの成果を挙げていること。日本の畜産物は品質の良さで世界と戦ってゆかなければならないことがこれからの大きな課題といえる。そして、もうひとつ重要なのが家畜の防疫だ。輸出に努力しても、万一、口蹄疫が発生すれば一斉にストップしてしまう。その意味で、末端まで含めて確りとした防疫体制をつくってゆくことが中央畜産会としての大きな役割といえる」と述べ、会員・業界関係の支援・協力を求めた。

来賓として出席した農水省・生産局の枝元真徹局長は、「我が国畜産は新たな国際環境を迎えており、農水省では総合的なTPP関連政策大綱に基づいた経営安定化対策を図るとともに、これまでの対策の検証を踏まえ必要な施策を実施している。また最近の子牛価格の高騰で肥育経営の収支悪化が懸念されており、緊急対策として牛マルキン事業の国庫補てん率を18年度限り9割に引き上げた。今後も畜産農家が希望を持って経営を継続してゆけるよう取り組んでゆく。貴会においては、畜産クラスター事業の推進の要として、基金管理のほか機械導入事業の実施など重要な役割を担っている。また2020年東京五輪に向け、GAPや農場HACCPに意欲的に取り組んでいる。我が国畜産は、新たな国際環境に入る重大な転機に、さらなる発展・躍進となるよう支援をお願いしたい」と述べた。

〈肉事協山氏理事長らがあいさつ、担い手の増頭対策、養豚チェックオフへの支援を要請〉

牧元局長のあいさつのあと、農畜産業振興機構の宮坂亘理事長による乾杯で懇親に移った。その後、中締めのあいさつとして、会員・賛助会員を代表して全国肉牛事業協同組合の山氏徹理事長、日本養豚協会の志澤勝会長、日本食鳥協会の佐藤実会長、日本酪農政治連盟の佐々木勲委員長が今年の抱負を述べた。

このなかで、山内理事長は「本年、肉牛業界は苦しい年になると思われる。さらに、畜産業界でも格差が生じており、中山間地域や離島の経営基盤の弱い家族経営が行き詰まることを危ぐしている。しかし、18年度予算で家族経営の担い手が一番要望してきた低コスト牛舎(簡易牛舎の整備の拡充)が盛り込まれた。担い手の方々は増頭したいという機運が高まっており、彼らの経営安定のため引続き皆さんの支援をお願いしたい」とあいさつした。志澤会長は「今後、安全で美味しい日本の豚肉の生産振興を図るため、もっと汗をかかなければならないと思っている。そのひとつにチェックオフがあり、これに対する応援をいただきながら、これ以上、日本の養豚産業が衰退しないよう、ぜひ支援をお願いしたい」と呼びかけた。また、佐藤会長は「昨年は酉年で業界にとっても非常に追い風となった。とくにムネ肉がブレークした年となった。

今年は幸せを取りにゆく年として攻めの一年にしたい。輸出事業も継続してゆくが、日本の需要をみると、まだまだ掘り起こすことができるのではと考えており、国産チキンのファンづくりをもう一度真剣に取り組んでゆきたい」と抱負を述べた。

〈畜産日報 2018年1月9日付より〉