日本ハム新社長、攻めの経営へ 「シャウエッセン」など強み活用

日本ハム 代表取締役社長 前田 文男氏
日本ハム 代表取締役社長 前田 文男氏

日本ハムは6日、大阪市北区の本社で、4月1日付で社長に就任した前田文男代表取締役社長の就任会見を開いた。前田社長は、「メガブランドのシャウエッセンや、生産・処理・物流・販売を一体で担う食肉事業のバリューチェーン、スポーツ・エンターテイメント事業など唯一無二の強みがある」と強調し、強みを生かし攻めの経営を推進する。会見で次の通り方針を説明した。

【新任のあいさつ】

ニッポンハムグループの歴史と伝統を引き継ぎながら、企業理念である「『食べる喜び』を通じた社会貢献」のもと、従業員が自己実現できる会社を目指す。「やろうと思えばできないことはない」という意識を共有し、全員で挑戦していく。

メガブランドのシャウエッセンや、生産・処理・物流・販売を一体で担う食肉事業のバリューチェーン、スポーツ・エンターテイメント事業など唯一無二の強みがある。この強みを生かし、次のステージを見据えた「攻めの経営」を進め、「攻めの成長戦略」「攻めの構造改革」、働き甲斐を高める「風土改革」に注力していく。

私は食肉、加工、コーポレートなど複数領域を経験してきた。その経験を生かし、さまざまな課題に向き合っていく。

今期は来年から始まる中期経営計画2029に向けた地盤固めの年と位置づけている。厳しい外部環境が続いているからこそ、自ら逆境を切り拓いていく企業でありたい。

【課題と方針】

加工事業では、構造改革により収益性は改善したものの売上減で効率が低下しており、トップラインの引き上げが課題だ。

今春の新商品でも、環境変化に対応した商品提案を強化している。ASF(アフリカ豚熱)対策として、ボロニアタイプのベーコン型スライス「ベーコロン」などを店頭展開している。

北米では、25年1月にM&Aした鶏肉加工会社のうち、一部工場の立ち上げに時間を要したが、生産数量は回復してきており、今後は収支拡大を目指す。

ASEANについては、為替の影響で輸出競争力が低下しているため、共創戦略で提携したCPフーズ社(タイ)の販売網を活用し、現地での販売を強化したいと考えている。また、シャウエッセンの海外展開にもつなげたい。

食肉事業については、どのような環境下でも高い次元で収益を確保するため、ボラティリティの低減を図る。

たんぱく質を軸としたR&D戦略「プロテイノベーション」のもと、既存事業の進化と新規事業の創出を両輪に研究開発を加速している。「たんぱく質クライシス」を見据え、共創による新たな価値創造に取り組んでいる。その中で、細胞性食品や牛の腱を活用した再生医療素材などの開発を進めている。

スポーツ・エンターテイメント事業では、28年の新駅開業や30年のファーム移転を見据え、拡大と強みの最大化を図る。ボールパーク周辺への投資も進め、まちづくりにも寄与したい。

風土改革では、当社の競争力の源泉である人財の育成に注力する。夢を持って挑戦する人財を育てていきたい。