2月の豚肉需給展望 月間平均で税抜き520~540円、税込560~580円前後か

2015年1月の東京食肉市場の上物平均価格(税抜)は484円(税込では523円、140円安)、前月比130円安となった。例年、年末の12月に比べ1月は下げるが、12月の急騰から下げ幅も大きくなった。年明けは、初市が6日だったことで621円でスタート、その後は徐々に下げるが、19日の週は末端の動きが止まったことで急落、20日には432円まで下げた。月末の30日には484円まで回復したが、中盤の急落が影響し、前月比では130円安と大きく下げた。

19日の週の出荷頭数は7万頭を大きく下回る6万4,000頭~6万7,000頭で推移、輸入チルドも北米西海岸の港湾問題で玉不足になる状況だったが、年末年始の消費疲れと相場高による特売の減少もあって予想を上回る販売不振となった。当初は、500~520円と見られたが、中盤以降の消費落ち込みが相場を引き下げた形になった。

2015年2月は、農水省食肉鶏卵課がPEDの影響を踏まえて試算した肉豚出荷頭数によると、全国の出荷頭数は前年比1.9%減の131万5,000頭と見込まれる。稼働日数を19日とすれば6万9,200頭前後が見込まれる。末端では、1月下旬からやっと切り落とし用のスソ物が動いてきたところで、通常ならば受験シーズンでとんかつ用のロース、ヒレの動きが出てくることが期待される。また、輸入チルドは、港湾問題の決着が依然見えないことで、量販店では2月については輸入チルドから国産にシフトせざるを得ない。その一方で、末端が鈍い中で枝肉相場が急騰しては、さらなる消費離れが懸念される。また2月末は量販店の決算期で在庫を抑制することで、後半は下げに転じると見られ、前半の上昇が月間平均価格を左右すると考えられる。2月1日の東京市場は520円、2日は564円に上昇、その後も出荷が少ないと見られ540~550円で推移、一時的にはさらに上昇することが見込まれる。中旬以降は下げに転じることで、月間平均では520~540円(税込560~580円)と見込まれる。