牛肉3.5万tで前年比4.7%減、豚肉6.5万t・5.5%増-3月畜産物輸入

財務省28日発表の貿易統計によると、3月の畜産物の輸入量は牛肉が3.5万tで前年同月比4.7%減少、豚肉が6.5万t(同5.5%増)、鶏肉が3.4万t(23.3%増)となった。牛肉は豪州産フローズン玉の通関繰延べや米国産の減少が、豚肉は北米産チルドの物流改善、鶏肉は前年が通関を繰り延べた反動などが、それぞれの昨対増減に影響したとみられる。

【牛肉】チルドは豪州産が1万tを超える輸入となり、チルド全体では前月から4千t弱増えて1.7万t(前年同月比4.5%増)となった。逆にフローズンは国内在庫が多いうえに年度末で繰り延べたことで前月から4千t減少し、1.8万t(12.0%減)にとどまった。牛内臓は5,402t(17.3%増)となり、年累計でも1.3万t(7.1%増)となった。

【豚肉】チルドは米国が1.5万t、カナダは前月から倍増の1.2万tとなり、チルド全体としては2.9万t(16.2%増)と平成元年以降、単月としてはもっとも多い輸入量となった。フローズンはデンマークなど一部欧州からの輸入が少なかったことで、3.6万t(1.7%減)に。豚肉調製品も中国が761t(56.7%減)、米国が6,409t(48.2%減)、カナダ1,472t(29.5%減)と主要国では軒並み減少した。

【鶏肉その他】鶏肉は、昨対では23.3%増加となっているものの、年明け後のブラジル産船積み量が2万t半ばのボリュームにあるため、昨年8月以降、7カ月ぶりに4万t割れとなった。それでも年累計では前年同期比24.7%増と多い水準にある。また家きん調製品では、中国が9,261t(44.4%減)、タイが1万7,220t(25.2%増)と、期限切れや異物混入問題の影響でタイへのシフトが伺える。羊肉も国内需要の回復でチルドが6.4%増加、馬肉も他の畜種の加工原料が高値にあることから、単月で12.9%増、年累計でも9.7%増と再び増加基調にある。