農水省が初の輸出環境課題レポート、牛肉は放射性物質、検疫、月齢制限が挙がる

農水省は24日、「農林水産物・食品輸出環境課題レポート(2014/15)」をまとめた。今回、初めて輸出環境課題と対応状況をまとめたもの。今後、輸出戦略実行委員会でのPDCAサイクルに基づく検証結果を踏まえ、毎年度の進ちょく状況や新たに生じた課題などを整理・追加していく。

牛肉は、2020年までに農林水産物・食品全体の輸出額を1兆円規模に拡大する目標の中で、2012年の50億円を250億円まで拡大する。今回のレポートでは、14年の輸出額が前年比41.6%増の82億円と大きく増加したことが報告された。その一方で、放射性物質に係る輸入規制、BsEや口蹄疫の検疫協議、月齢制限などの課題が挙げられた。

輸出戦略では、市場規模の大きいEUや米国でのプロモーションに取り組むとともに、中国、台湾、イスラム圏(マレーシア、サウジアラビアなど)、豪州を新規に開拓することにしている。一方で、中国、香港、台湾では、放射性物質に係る輸入規制が課題になっている。中国は10都県、台湾は5県について輸入を停止し、香港は5県からの輸入について放射性物質検査証明書を要求しており、これらの緩和・撤廃に向け働きかけを続けている。