5月の牛肉需給展望 和牛は天井でわずかに下げ、A3で2,100円前後

[価格見通しなど]15年4月の東京食肉市場の規格別の価格(消費税8%込み)は、和去A5で前月比68円高の2,480 円、A3で78円高の2,165円、交雑B2は62円高の1,525円、乳去B2は22円高の1,096円となった。

3月まで和牛は天井感から、徐々に下げ、その代替として少しでも割安感のある交雑、乳去に手当てが入り、交雑、乳去での上昇が目立った。4月は出荷が少ない中で、連休に向けた手当てが入ったことで、和牛、交雑、乳去の各品種・規格で上昇した(グラフ参照)。例年4月は3月に比べ各規格で50~100円上昇するが、価格水準は違うものの、今回も例年通りの推移となった。

5月の見通しでは、農畜産業振興機構の予測によると、成牛の出荷頭数は6.3%減の8万5,300頭、うち和牛は7.8%減の3万6,400頭が見込まれる。減少幅が大きいが、これはと畜場稼働日数が少ないことが要因で、成牛の1日当たりの出荷頭数では1.3%減を見込む。

5月の大型連休、母の日が終り、末端の需要は一服している。しかし、相変わらずの出荷状況から最低限の手当てでも高値の相場が維持される状況は変わっていない。この間、等級や交雑種、乳去など品種にこだわらず少しでも安価な国内産の牛肉を手当てする傾向が強まっていが、4月は大型連休もあって和牛の上位等級も上昇しており、これらは一定程度下げると見込まれるものの、交雑種、乳用種の相場は引き続き高値を維持する見通しだ。その結果、5月の相場は和去A5で2,400円前後、A3で2,100円前後、交雑去勢B2で1,550円前後、乳去B2は1,100円前後と見られる。また、例年6月は5月に比べ一段下げるが、今回は引き続き和牛の上位等級はわずかに下げるが、和去のA3以下、交雑種、乳用種は高止まりとみられる。