6月の鶏肉需給展望モモ肉は日経平均600円前後、ムネ肉335円前後か

【価格動向など】5月の鶏肉相場(農水省統計部、税抜価格)は、モモ肉は前月比17円安の633円、ムネ肉は1円高の337円となった。モモ肉は上旬642円、中旬635円、下旬625円と1日1円弱の下げに。ムネ肉は、上旬338円、中旬336円、下旬338円とほとんど変わらず高値を維持した。5月はこれまで国産モモ肉価格を下支えしていた輸入チルド豚肉不足が解消されたことで、季節なりに下げた。ただ、量販店では引き続き100円前後で販売できるアイテムとして引合いは強く、大きな下げにはならなかった。ムネ肉の需要は旺盛で相場の高止まりが続いている。日経平均(税抜)でみると、モモ肉で前月比20円安の621円、ムネ肉は1円高の335円で、合計では19円安の956円と2カ月連続で下げた。

6月見通しでは、農畜産業振興機構の需給予測によると、同月の生産量は3.6%増の12万4,400tが見込まれる。日本食肉輸出入協会によると、6月輸入量は5.0%減の3万9,800tと予測される。生産状況を聞くと、九州、北日本とも順調で計画を上回るといわれ、重量で3㎏がコンスタントに出てくるようだ。需要面では、輸入チルド豚肉の供給が潤沢となったこと、季節的に不需要期に入ったことでで、モモ肉の極端なひっ迫感は薄れた。例年なら相場安の中で年末向けの在庫を積み増す時期だが、相場は依然として600円を超し、凍結もし難い状況だ。ムネ肉は依然として需要は底堅く、価格は高止まりしている。

これらの結果、6月の相場は、モモ肉は季節的に下げるものの下げ幅は小さく、月間平均では610円(日経平均で600円前後)、ムネ肉は335円前後(同)と見込まれる。