国産豚肉は夏場に高値、10月以降も大きな崩れ無い-スターゼン中津濵社長

スターゼンの中津濵健社長は10日の会見で、下期の食肉の需給について説明した。中津濵社長は、牛肉は国産・輸入とも高値安定が続き、国産では品不足の中で各部位とも販売するなど牛全体を販売する傾向が強まること、国産豚肉ではPEDの影響で夏場は比較的高値での展開になるほか、供給が回復する10月以降の相場も大きな崩れはないのでは、との見方を示した。

中津濵社長は、「牛肉は、国内・輸入とも不足し高値安定が続く。牛の生産回復には時間がかかり、日本の生産環境は高齢化により生産者が減少していることが大きく影響している。当初、出荷見通しは5~6%減が予想されていたが、例えば東京市場の上場頭数は2割近く減少している状況だ。想定していた数量よりも減っている。ただ、売れ行きは良くなく、その中で高値安定が続く。品種では、和牛のみならず、ホルス、経産牛と全ての牛肉が上がっている。国産では、全体的にヒレを除く高級部位の荷動きは良くない。しかし、品不足の中でグレードを問わず、季節・繁忙期を問わず各部位とも販売するなど牛全体を販売する動きになる」と予測している。

調達面では、「当社としては、長年のパートナーにより安定した集荷ができているが、市場での調達が主流のところは大変苦労していると思う」と調達の難しさを指摘した。

輸入牛肉は、「米国産ではここにきてショートプレートが暴落した。このため、冷凍はショートプレートを中心に輸入量は増加を予想。米国からの中国への輸出がスムーズに行っていないことが要因だが、このままの状況であれば、日本国内の在庫は潤沢と見込まれる。ただ、米国の飼養頭数は回復基調だが、需要も強く下がる要素は少ない。豪州産は、生体価格高から輸入量は減少、特にチルドの輸入量は月1万tを割込むことも予想される。チルドのグラスフェッド・ショートは、ともに今期前半の平均相場を50~100円上回る輸入コストを予想している。フローズンも外荷高のインパクトを受け輸入量減を見込む。フローズンの挽き材も外荷が上昇、それに伴い日本国内もじり上げを想定している」と述べた。これらの中で、「全体的に牛肉のイベント(特売など)が少なくなる見通しで、低価格での販売が無くなる。逆に、牛肉での数量減をカバーするため、豚肉のイベントが増える」との見通しを示した。