7月の豚肉需給展望 月間平均で税抜き570~580円、税込615~625円前後か

[価格見通しなど]2015年6月の東京食肉市場の上物平均価格(税抜)は547円(税込では591円)、前月比60円高(税込では65円高)となった。

6月は、5月からの末端不振と輸入チルドの安定供給を踏まえ、月間で510~530円での展開とみられていたが、6月生産分の米国産チルドが季節的な現地高と為替の円安でコストが上昇、これが6月最終週に入ってくることを見越して、一部で量販店などが国産の調達を増やしたことで予想を上回る価格上昇となった。東京市場では、10日以降、ほぼ550円を上回って推移し、月末30日は570円まで上昇した。

6月の出荷頭数は、概算で3%増の128万7,000頭前後、1日当たりでは5万8,500頭前後と見込まれる。出荷頭数は1日当たりでは6万頭を下回る日が多く、月間平均では6万頭を割り込んだ。その一方で、輸入チルドは5月輸入量が2.6万tと、4月の2.8万tに比べ連休や暦の関係もあって絞られたこと、米国の6月生産分のコストが上昇したことで、一部の量販店での特売が輸入チルドから国産にシフトしたとみられる。ただ、末端の売れ行きは鈍く、国産では季節的にもバラの動きは良くない。

2015年7月は、農水省食肉鶏卵課の肉豚出荷頭数によると、全国の出荷頭数は前年比5%減の127万3,000頭(過去5年平均比では3%減)を見込む。1日当たりでは5万7,900頭前後と6月に続き6万頭を割込むとみられる。また、輸入チルドは、6月生産分は米国産でコストが上昇したものの、7月分は現地相場の下げ予想や為替の関係で5月生産並みに戻る見通し。そのため6月の手当ては若干絞られたものの、7月は国内相場を見ながらも、潤沢な供給が可能となっている。一方で、千葉、茨城などの出荷が少ないと見込まれ、手当てのために東京はじめ他の首都圏市場に買いに入った場合、東京市場などの相場上昇につながるなど不安定要因が挙げられる。また、このところの天候不順で末端の動きは鈍く、輸入チルドの状況も勘案すれば、月初から中旬までの上昇はあるものの、月間平均では570~580円と見込まれる。