豚、鶏、ハムソーは値下がりし、豚肉は前年価格を下回る-6月実質小売価格

食肉の家計消費は鶏肉・豚肉が単価の安さを背景に消費をけん引しているが、5月以降、加工品を含め小売価格は値下がりに転じており、昨年後半にかけて値上がりした平均購入価格は頭打ち感が出ている。

総務省・統計局による6月分の家計調査によると、食肉・食肉加工品の100g当たりの購入価格は牛肉が前月から3.2円値上がりして318.7円となった。5月は2年7カ月ぶりに前年価格を下回ったものの、6月は再び上昇し、前年同月比15.3円高と再び価格差が広がっている。例年この時期は梅雨で牛肉の消費が落ちる傾向にあるが、相場高でもともとの仕入コストが前年よりも上昇していることから、購入点数が落ちても購入単価の下げには結びつかなかったとみられる。

豚肉は前月から2.6円値下がりして147.6円となり、前年同月比1.2円安と2年10カ月ぶりに前年価格を下回った。PEDなどの影響を受けて相場高となった前年の反動とみられるが、それでも一昨年と比べると22.3円も高値にある。鶏肉は3.3円値下がりして94.3円(前年同月比0.9円安)となり、今年の購入価格としてはもっとも安値を付けている。ただ、数量ベースは前月比1.3%増、前年同月比5.1%増とともに上回っていることから、末端での価格競争やムネなど安価な商品へのシフトが進んだものとみられる。

食肉加工品はソーセージ、ハム、ベーコンともに前月から値下がりしている。うちソーセージは5.5円値下がりの141.1円(前年同月比6.7円安)、ベーコンが12.7円値下がりの173.4円(1.8円安)、ハムは0.1円値下がりの201.1円(5.5円安)となった。ベーコンの平均購入価格は1年5カ月ぶり、ハムは5カ月ぶりにそれぞれ前年価格を下回ったが、実質小売価格の値下がりによって数量ベースでは前月・前年ともに超える結果となった。