相場高で増収も、加工で原料高と数量減少が響き減益に-日本ハム第2四半期決算

【大阪発】日本ハムは10月30日、2016年3月期第2四半期の連結業績を発表した。加工事業で業務用商品の苦戦が響き前年実績を下回ったものの、食肉事業で販売価格が高値を維持し、フード(卸)会社の販売数量が伸張したことで前年同期比7.9%と引き続き大幅に増加、関連企業も3.5%増加したことなどから、同期の売上高は、5.6%増の6,203億900万円に上った。営業利益は2.5%減の217億9,400万円。食肉事業では海外は計画を下回ったものの、国内の相場高と国内ファーム事業が堅調だったことで増益を確保、関連企業も前年の欠損から5億円強改善し、加工事業では原料高に対しコスト削減を図ったが、数量の減少で減益となった。税金等調整前四半期純利益は1.0%減の207億4,300万円、四半期純利益は2.0%増の153億6,600万円となり増収減益となった。

セグメントでは、加工事業本部の売上高は、ハム・ソーセージ部門が主力商品のTVCMなど積極的な販売促進や主要ブランドの商品価値向上に努め、加工食品部門も新商品「クロワッサンピッツァ」を加えた「石窯工房」や新たに骨なしタイプを加えた「チキチキボーン」などが好調に推移。ギフト商戦も堅調だったが、大手CVsチェーン、外食産業などを中心に価格競争が激化した業務用商品の苦戦が続き、事業全体としては、売上高は1.1%減の1,758億円、利益は、継続して取り組んだコスト改善効果もあったが、販売数量の回復が遅れていることや原料・資材価格が前年を上回った影響もあり、営業利益は68.3%減の4億7,600万円となった。

食肉事業本部の売上高は、国内では鶏肉を中心に販売数量が増加したことに加え、食肉価格の上昇傾向が続き、全体の売上高は大きく伸長。またブランド鶏肉「桜姫」は関東エリアでTVCMを投入し、他のブランド食肉とともにインターネットを活用したプロモーションや取引先とのタイアップ企画など、複合的なコミュニケーションを実施。海外では、豪州事業で牛肉の販売価格が堅調に推移したこともあり、事業全体としては、7.9%増の4,463億円となった。利益は国内のファーム事業で飼料価格が為替の影響もあり高止まりする傾向が続いたが、食肉価格の上昇や生産性の改善もあり、前期より増益となった。一方、海外においては、豪州事業における牛の仕入れ価格の高騰、米州養豚事業の豚肉相場下落などで苦戦したことで減益となり、事業全体の営業利益は2.1%増の209億円となっている。

通期の業績は変更なく、売上高は対前期比3.9%増の1兆2,600億円、営業利益は11.2%減の430億円を目指している。