TPP大筋合意の影響分析、牛、豚、鶏とも当面は影響小さい-農水省

  自民党は4日、農林水産戦略調査会・農林部会合同会議を開き、TPP大筋合意における品目別影響分析について、農水省から説明を受けた。農水省は、畜産、林野、水産、輸出の各分野の分析を報告、畜産では、牛肉、豚肉、乳製品、鶏肉、鶏卵それぞれの影響分析が示された。牛肉、豚肉では「当面、輸入の急増は見込み難い」、鶏肉では「TPP合意による影響は限定的と見込まれる」として短期的には影響は大きくないとしたが、長期的には国産畜産物の価格下落も懸念され、規模拡大や環境整備の検討が必要としている。議員らは、影響分析についてより具体的な内容を求め、対策では法制化や財源の恒久化など、長期にわたる対策が必要との声も上がった。これらには、5日以降に農水省から回答していく。

参加した議員からは、「細かく分析を。和牛、交雑、ホルスでそれぞれどうか。オージーは熟成させて交雑と競合していく。その中でホルスも配合飼料が必要な中やっていけるのか。畜種ごとの比較検討を」、「豚と牛の影響が大きい。20年後の姿を知りたい。農水の政策体系との影響など。TPP関連政策大綱に向けては期間が短いが、国会承認までに具体的なビジョンが必要だ」、「農水省は日豪EPAについて米国との比較や、為替に埋もれている面もあるだろうがその影響を正確にはどう見ているか。日豪で影響がないからと言ってTPPでもないとは見られない」と分析について多くの注文が上がった。

また対策については、「TPPで利益を上げる分野があり、それを移行できる制度作りを」、「なぜ脅威か、畜産ではコスト低減では競争できないから脅威だという話だったはずだ。経営安定と競争力強化で対応できるというような書き方はおかしい。経営安定対策をしっかりやるべきだ」、「良い面だけでなく、悪い面と対策を説明しないといけない」、「牛豚のダメージは大きい。10年間の残された期間で経営安定対策を充実させるほか、チェックオフを導入してほしい。現状では米国と同じ条件で競争ができない」など、主に牛、豚について、影響を懸念し必要な対策を指摘する声が多く上がった。