11月の豚肉需給展望 月間平均で税抜440~450円、量販店の特売開始も盛り上らず

[価格見通しなど]2015年10月の東京食肉市場の上物平均価格(税抜)は427円(税込では461円)、前月比44円安(税込では48円安)と続落となった。10月第2週からは大手量販店でも国産豚肉の特売が始まり、中旬以降は底堅く推移すると見込まれたが、下旬にかけて420円前後で一進一退の状況となった。これは、出荷頭数が1日当たり平均で6万8,000頭前後と、7万頭近くまで増加する中で量販店での当初は特売価格を大きく下げず、販売物量が期待ほど増えなかったことが要因とみられ、当初予想を10~20円下回る結果となった。

10月の全国出荷頭数は、速報値の積み上げでは前年比1%減の約141万頭、1日当たりでは6万7,300頭強とみられる。売れ行きは、売場は鍋用のスライス材中心に早めに変わったものの、天候不順による白菜など野菜の高値が鍋需要の足を引っ張った。10月第2週からは、大手量販店でも、特売の中心を輸入チルドから国産豚肉に移したものの、価格を極端に下げなかったこと、前述のように野菜高もあって末端の動きも鈍かった。背景には、国産牛肉相場の高騰で量販店では和牛をはじめ、国産牛肉の販売物量が減り、予算をクリアするためにも国産豚肉の値付けを大きく下げられない状況がある。また国産の相場は、7月の597円から10月は471円と、この間170円下げており、これによる不安定感から量販店では輸入チルドの販売を大きく減らしていない。これらが、末端で販売物量が伸びない要因とみられる。