9月末の豪州フィードロット飼養頭数は前年比6%増の96万頭と高水準

豪州フィードロット協会が23日に発表した15年9月期(7~9月)の全国フィードロット飼養頭数(9月末現在)は、前期(6月末)から0.5%わずかに増加して96万1,328頭となり、過去最高を記録した14年12月期(96万4,968頭)に次ぐ水準となった。エルニーニョ現象によって北部クイーンズランド(QLD)州で広範囲に乾燥気候が継続していることに加えて、海外市場での堅調な需要によって各牧場で導入頭数を増やしたため、未だ高水準な飼養状況が続いている。このため、フィードロットの稼働率はQLD州で91.5%、全国ベースでも83.5%の高い稼働率となっている。

同協会によると、同期間中、堅調な国際需要と東部の州でみられたいくつかの降雨によって肥育素牛価格が高騰した。同期の全国家畜市場の肥育素牛価格(300~400㎏)の平均は312豪セントで、前年同期比で61%も高値を付けた。一方で、QLD州南部ダーリングダウンの穀物価格は、飼料用大麦が1t当たり平均301豪セント・前年同期比2%安にあるものの、ソルガムと飼料用小麦はそれぞれ293豪セント、328豪セントとともに3%高値に推移しているという。このように飼料価格は品目によって状況が異なるものの、この間の素牛価格の高騰に伴う生産コスト増が懸念される。同協会でも肥育素牛価格の高騰と11月の降雨に伴う供給頭数の減少によって12月期(10~12月)の飼養頭数は減少すると見込んでいる。

レポートのなかでMLA豪州食肉家畜生産者事業団は、9月期のグレインフェッドビーフの輸出量は06年以降最高記録の6万8千tに上り、前年同期比14%増、過去5年9月期平均比で22%増加したという。このうち全体の48%を占める日本市場向けは3万3,016tで前年同期比4%減少したものの、中国向けは3倍増の6,470tに達したなか、韓国は1万2,730t・31%増と9月期としては06年以降最高水準をつけた。また米国と中東向けはそれぞれ4,765t・68%増、2,601t・26%増となり、EU向けも4,535tと堅調に推移しているという。