12月の豚肉需給展望 出荷少なく2日は542円と大幅続伸、7日以降は一旦落着くか 、月間平均で税抜540円前後の見通し

[価格見通しなど]2015年11月の東京食肉市場の上物平均価格(税抜)は447円(税込では483円)、前月比20円高(税込では22円高)と、豚価は10月を底に上昇に転じた。

出荷頭数が概算で3%前後増加し、1日当たりでも7万頭に達する中で、量販店での販売が輸入チルドから国産豚肉へと軸足が移ってきたことが要因。相場は、前半は低迷したものの、「勤労感謝の日」の連休を前にした17日から上昇傾向が顕著になった。当初は、連休手当ては入るものの、本格的な上昇は連休後の月末とみられていたが、早めの豚価上昇となり、月間平均でも予想を10円近く上回った。

需要自体は、首都圏では週末に天候が崩れるものの、気温は例年に比べ比較的高く、鍋需要がなかなか本格化せずバラが動かないこと、量販店では売上高確保へ国産豚肉の値付けを大きく下げなかったことで決して良くはなかった。その中で輸入チルドの販売も安定して行われる状況だった。

12月は、農水省食肉鶏卵課の肉豚出荷頭数によると、全国の出荷頭数は前年比6%増の155万7,000頭を見込む。過去5年平均比でも3%増加する見通しで、ようやく回復基調が明らかになってきた。ただ、12月1日、2日と6万6,000頭台の出荷頭数が続き、東京市場での取扱頭数も2日は710頭にとどまったことで東京市場での豚価は前日比33円高の542円と大幅続伸した。しかし、出荷減少は一時的に「出荷の谷間」に入ったことが要因と言われ、7日の週には再び7万頭前後の出荷に戻ると見込まれ、豚価も落ち着くと見込まれる。

需要面でも、ようやく寒さが強まったことで、ここまで足を引っ張っていたバラが動きだした。ただ、前述のように量販店では大きく価格を下げて特売をすることはなく、極端に物量が伸びることは考えづらいところだ。輸入チルドは、一定量の販売はあるが、量販店の販売が国産豚肉に軸足を移したことで、秋口までの勢いはない。

これらを勘案すれば、月初の高値は一段落し、7日の週から中旬は520~530円(税込560~570円)、下旬は560円(605円)前後、12月の月間平均では540円(585円)前後とみられる。