2月鶏肉需給展望 1月最終週にモモ急落、2月は落着き弱含みの見通し

1月後半以降、寒さが強まり冬らしい気候となったことで、モモ、手羽元の需要が増し、生鮮品の動きは良くなってきている。ムネやその他の副産物ではいまいちなものの、1月前半の停滞からは変化してきている。一方で、需要面は良くなってきていても、年末年始の暖冬により需要が振るわず凍結在庫が過多な状況の中で、2月末、3月末までに在庫消化がしたい意向が重なり、凍結品の値下がりにつながっている。生鮮にも影響してモモ、ムネともに1月最終週に大きく下げた。生産面では、急な寒さなどで増体が悪く、1月中旬の九州での雪などの影響もあり、現状モモと手羽元では荷余り感はない。消化が優先される凍結とは異なっている。凍結品の放出があることで相場は徐々に下げるとは考えられるものの、下げ幅は落ち着く見通し。

【価格見通しなど】16年1月の鶏肉相場(農水省統計部、税抜価格)をみるとモモ肉は前月比1円高の690円、ムネ肉は29円安の298円となった。モモ肉は上旬706円、中旬696円、下旬679円と下落した。ムネ肉は、12月から下落を続けており、上旬311円、中旬300円、下旬290円と大きく下げた。日経平均では、モモ肉は前月比9円安の668円、ムネ肉は31円安283円となった。

1月最終週での大きな下げがあり、2月に入って弱保合だが、8日(月曜)の日経平均ではモモ636円、ムネ263円と1月中旬の水準と比べ大きく下げている。2月は凍結物の消化がある程度進むことと、生鮮での荷動きが良く、生産面が良くないことで徐々に下げつつも、1月最終週ほどの大きな下げはない見通し。ムネでは、300円を大きく下回る価格となってきたことで、末端での特売、加工向けの価格の折り合いもつきやすくなっており、凍結在庫の消化が進めば下落幅は狭まると考えられる。これらの結果、モモ肉は月間平均で645~655円(日経平均で625~635円)、ムネ肉は260~270円(日経平均で250~260円)程度に下落すると思われる。