4月の鶏肉需給展望 モモ、ムネとも保合で推移か、後半はGW手当も

鶏肉の3月の相場は、モモは月末へ向けて上げ下げを繰り返しながらわずかに下げ、ムネもじわじわと下げた。ムネでは、日経平均で250円台になったことで特売向けなどの引合いもあり、下落は緩やかなものとなった。また、生産面では気温の変動などが影響して九州地方での生産に波があり、相場の下支えにつながった。

今後は、冷製商品なども増え始めるため、ササミなどへの引合いも徐々に増えると考えられる。輸入品は、在庫の増加などで相場も下落傾向だったものの、後半にはブラジル現地の先高観や1月、2月のブラジル船積みの少なさ、一部アイテムの品薄などで相場は底をうち、4月には価格も上昇し始めている。ただ、為替の円高傾向などもあり、3月のブラジル船積みは再び4万t台となった。

【価格見通しなど】16年3月の鶏肉相場(農水省統計部、税込価格)は、モモ肉は前月比15円安の637円、ムネ肉は9円安の263円となった。モモ肉は、3月上旬に640円、中旬634円、下旬636円となった。ムネ肉では、上旬268円、中旬261円、下旬259円と下げている。3月は年度末、決算月の企業もあり、月末前に在庫の放出や月末は買い控えの動きもあったようだが、相場への影響は比較的軽微で月間では弱含みの推移となった。日経平均では、3月のモモ肉は1日の626円から31日612円と下落し、月間平均は617円となっている。ムネ肉は、1日260円、31日251円、月間平均は256円となった。4月は、11日時点でモモは611円、ムネは252円とほぼ3月末と同様の水準となっている。

4月上旬は九州での生産面での若干の不調があり、需要はそこそこな中で相場は弱保合で推移した。2週目には九州の生産が持ち直してきている中で、給食が開始することで引き合いも増え、相場は3月末の水準に戻している。今後は、若干需要が停滞している中、中旬にはじわじわと下げ、後半になればGWに向けた手当が始まりもちなおすと見られる。そのため、4月も3月と同様に、小幅な上げ下げを繰り返し、下げるとしても下落幅は落ち着いたものとなりそうだ。月間平均では、モモ肉は630~640円(日経平均では600~610円)程度、ムネ肉は260~270円(日経平均で245~255円)程度と考えられる。