6月の豚肉需給展望 低需要期でも出荷頭数減・上場減なら600円台後半か

5月の豚枝肉相場は当初予想を大きく上回る展開となり、東京市場では上物で592円(税込)と、前月から100円ほど値上がりし、昨対でも60円ほど高値を付けた。また関東3市場(全農建値)の上物平均も603円(同)と前年よりも70円ほど高値となった。末端消費は良くないものの、疾病などの影響で関東周辺市場の上場数が減少し、そこに産地指定の動きとスソ物がひっ迫していることが相場が吊り上がった要因とみられる。一方、九州・関西エリアの出荷状況は順調なもようで、大阪市場の上物平均は570円と前年平均を7円下回るなど、東高西低の相場展開となった。6月は例年、出荷頭数が減って相場はより高値に動くパターンとなるものの、梅雨入りと需要の端境期にあるため、末端消費の盛り上がりの期待は薄い。しかも、この間の実需に反した枝肉相場高で中間流通の逆ザヤが拡大しており、先月ほどの大きな上昇はないとみられる。ただ、1日当たり5.8万頭台を下回る出荷が続いた場合には600円を超え来月に向けて600円台後半を伺う展開も考えられる。