名誉賞に宮城県・千葉哲雄氏出品牛、単価1万85円で小川畜産が購買-全農共励会

JA全農ミートフーズ(木村敬社長)は1日、東京食肉市場で第18回全農肉牛枝肉共励会を開いた。和牛去勢196頭、和牛雌71頭、交雑種33頭の合計300頭が出品された。名誉賞には宮城県JAみやぎ登米の千葉哲雄氏出品牛「元一郎」(和牛去勢A5、29カ月齢、父:百合茂、母の父:安福久、母の祖父:平茂勝)が選ばれた。1日午前のセリでは枝単価1万85円、枝肉金額608万1,255円で小川畜産興業が購買した。

最優秀賞は(3点)は、▽和牛去勢の部:栃木県JAかみつが、青木正氏出品牛「百合光」A5、枝単価3,335円、枝肉金額200万4,335円、丸富商店が購買、▽和牛雌の部:福島県JA会津よつば、齋藤栄信氏出品牛「じゅん62」A5、枝単価5,026円、枝肉金額244万2,636円、ツジモトが購買、▽交雑の部:栃木県JAしもつけ、神田誠司氏出品牛「福北光」A5、枝単価2,556円、枝肉金額146万7,144円、丸金おおつかが購買。このほか、優秀賞5点、優良賞12点が受賞した。

セリの後、全農ミートフーズ本社で褒賞授与式(=写真左が千葉氏、右が全農・山下氏)が行われ、全農畜産総合対策部山下武彦部長は「全国17県連から300頭の出品があり、東京市場としても最大規模の開催とすることができた。業界でも大きな関心がもたれ、JA全農として幅広い商品力を示す機会となった。枝肉相場は高値を維持しているものの、和牛繁殖基盤が弱体化し、消費面でも少子高齢化で減少傾向に転じるなど厳しい状況だ。全農としては飼料用米の拡大、子牛生産拡大へET事業の強化、販売面では8月29日のヤキニクの日、11月29日のイイニクの日などで全国3,000店舗で販促を行う。輸出事業も今年度は300tに拡大する計画。外食店舗も今年度は12店舗に拡大している。畜産経営の維持発展に努力したい」とあいさつした。

審査委員長を務めた日本食肉格付協会の青島正泰専務は、今回、大型化の傾向を受けて上限重量を削除したことを報告するとともに、名誉賞について「受賞した千葉哲雄氏の出品牛は、枝肉重量603㎏、ロース芯面積122?と大きく、歩留りも高かった。肉質は、BMs16~17で、脂の質も良く、審査員9人が全員一致して名誉賞に選定した」と評価した。