10月の豚肉需給展望 特売が輸入チルドから国産に移行も、出荷増で相場弱い

[価格見通しなど]2016年9月の東京食肉市場の上物平均価格(税抜)は479円(税込では517円)、前月比14円高(税込では15円高)となった。例年9月は、出荷頭数が増えることで相場は下げるが、上旬は出荷頭数が6万頭を割込む日があり、6日には585円まで上昇した。しかし、12日の週には、徐々に出荷頭数が回復、16日の週は祝日が2日あったことで出荷が集中し7万頭台になったことで急落、28日には406円に下げた。20日あまりで180円前後下げたことになる。9月下旬には急落したが、上旬の高値により、月間平均で8月を上回った。

10月の出荷頭数は、農水省食肉鶏卵課の予測によると、前年並みの144万8,000頭と見込まれる。これを稼働日数で割ると1日当たり7万2,400頭と、9月の概算の6万6,000頭を6,000頭以上上回る見通し。一方、量販店では、7~8月の輸入チルド中心の特売から、10月の相場下げを見込んで、国産を中心にした特売を計画しており需要は拡大するとみられる。さらに、気温が下がってくることでスライス材の販売が好調になればバラなどの荷動きも活発化すると見込まれる。これらを勘案すれば、需要はそれなりに上向くものの、出荷頭数の増加で相場は弱く、10月の平均価格は税抜420~440円(税込455~475円)と見込まれる。ただ、一時的には400円台そこそこに下げる場面も想定される。