9月の黒毛和種81.5万円と過去最高を更新-機構・素牛価格

9月の肉用素牛価格は、黒毛和種で81.5万円と、8月に続いて過去最高を更新した。出荷頭数は8月の2万頭割れから2.7万頭に回復したが、8月に少なかったことで、引き続き主要市場に買いが集中した。このうち8月に86万円まで上昇した鹿児島曽於中央は82.4万円と上昇は一段落したものの、ホクレン十勝は3万円以上上げて84.6万円を付けた。ホクレン十勝は10月14日開催でも平均で85万円を超し上昇傾向が続いている。

農畜産業振興機構が17日にまとめた2016年9月の家畜市場の肉用子牛の取引価格によると、黒毛和種は前年比で30.6%高の81.5万円、褐毛は48.3%高の78.0万円、交雑種は8.4%高の41.1万円、ホルスは11.6%安の19.8万円となった。ホルスは、雄が値下がりし全体でも1割下げたが、8月続き黒毛、褐毛、交雑とも過去最高を更新した。

和牛の枝肉相場は、9月は当初の下げ予想からわずかに上昇、10月に入っても銘柄牛を中心に堅調な相場が続いている。その中で、素牛の導入意欲は高いと見られる。

黒毛和種では、前述のように、ホクレン十勝は8月の81.0万円から84.6万円に上昇、10月14日のセリでも去勢で90.5万円、雌77.4万円、平均では85.2万円前後となっている。また、ホクレン南北海道でも8月の84.0万円が9月は81.6万円に低下したものの、10月は現段階で84.3万円に上昇している。ホクレンでは、道内の素牛出荷はそう変わっていないが、九州、東北の頭数は回復しておらず、道外の買いが強かったことが上昇につながったと見ている。このため、各市場で若干の上下はあるものの、今後も基調としてはじり高が見込まれる。