「お肉の安心・安全と美味しさ」で全国霜降り牛研究会開催、モネンシンなどで講演

全国霜降り牛研究会(会長:松永直行松永牧場専務取締役)は26日、千代田区の如水会館で秋季講演会を開いた。同研究会では5月の枝肉共励会に続き、秋季に肉質や肥育技術に関連して勉強会を開催している。今回は、モネンシン(飼料添加物、抗生物質)など食肉の安全・安心に関わる内容で開催した。

松永会長が「お肉の安心・安全と美味しさ」で講演するとともに、「モネンシンの効果・安全性と国内外の規制」について日本イーライリリー・エランコアニマルヘルス事業部の齋藤昇太郎営業担当課長が、「これからの肉牛経営」について木村畜産技術士事務所の木村信煕代表がそれぞれ講演した。また賛助会員の日清丸紅飼料技術サポート部が「牛代用乳-新製品サックルフォルティ」を説明した。

来賓としてあいさつした日清丸紅飼料の川合紳二代表取締役社長は、「和牛の旨さの裏側には生産者の努力があり、牛肉は奥が深い。国内畜産は、後継者不足・高齢化、EPAやTPPなどの自由化の動きと厳しい環境にある。TPPは米国大統領選で不透明も、国内では国会で審議されるなど各国で批准の準備が進んでいる。しかし、個人的には牛肉は心配していない。日本人の中で霜降り牛が認められ、世界でも評価される。まだまだ拡販の余地が残る。良い牛肉を作っていただき、飼料メーカーもともに歩んでいきたい。また輸出に当たり体制作りにも協力していきたい」と述べた。

松永会長は、講演の冒頭、「モネンシン(飼料添加物、抗生物質)は和牛の30%、交雑種の50%に使用されているとも言われる。これだけ使われているのに消費者の方は知らない。生産者としても、これはどういうものか、きちんと理解してほしいと今回のテーマとした。懇親会では、モネンシンを使った牛肉、使っていない牛肉の2種類を用意しており、味が違うか、違わないのか試してほしい」と、今回のテーマを設定した背景を説明した。