第1回東京食肉市場豚枝肉共励会に1,000頭出品、名誉賞はスカイミート出品豚

東京食肉市場協会(小川一夫会長)は9日~11日、東京都中央卸売市場食肉市場で平成28年度(2016年度)第1回東京食肉市場豚枝肉共励会(農林水産祭参加)を開いた。東京食肉市場の開場50周年の記念の年に、はじめて東京市場として豚枝肉共励会を開催したもの。1,000頭を超す共励会は例がなく、『豚の全共』(青島審査委員長)ともいえる共励会だ。その中で秋田・スカイミート出品豚(極上、78kg)が名誉賞を受賞し、単価7,740円(枝肉金額60万3,720円)で東総食肉センターが購入した。スカイミートには、農林水産大臣賞、東京都知事賞など多くの褒章が授与された(写真㊤、大島食肉鶏卵課長から表彰を受けるスカイミート・阿部秀範代表取締役社長)。

最優秀賞2点には、茨城・常陸牧場の出品豚(極上、78kg、東総食肉センターが単価5,023円で購買)、岩手・ケイアイファウムの出品豚(極上、75kg、大進畜産が単価3,944円で購買)が選ばれた。優秀賞6点は、▽茨城・成田畜産(極上、77.5kg、栗食が単価2,010円で購買)、▽茨城・瀬田陽一氏(極上、77kg、スターゼンが単価1,422円が購買)、▽茨城・成田畜産(極上、75kg、石橋ミートが単価1,400円で購買)、▽秋田・スカイミート(極上、76.5kg、アマイが単価1,325円で購買)、▽栃木・芳賀アグリカルチャー(極上、78kg、野地商店が単価1,322円で購買)、▽千葉・林商店肉豚出荷組合宮澤光男氏(極上、76.5kg、中村畜産が単価1,202円で購買)-となった。

11日の褒章授与式(東京食肉市場センタービル)では、小川会長(東京食肉市場社長、写真㊦)があいさつし、「東京食肉市場開設50周年の節目の年に、この第1回東京食肉市場豚枝肉共励会を開催できた。最優秀の名誉賞には、スカイミートの出品豚が選ばれたが、素晴らしい枝肉だった。また各賞に受賞された皆様もいずれも劣らぬ素晴らしい枝肉だった。生産者の皆さんは、今後もさらに優秀な肉豚生産に精励され、安全・安心でより良質な肉豚を出荷していただくようお願いしたい」と述べた。

また農水省生産局の大島英彦食肉鶏卵課長は、「豚肉は国民にとって良質なたんぱく質として食生活に不可欠。今回、肉豚生産の技術改善、経営発展へ意欲の高揚を図ることを目的とした共励会が、東京食肉市場開設50周年の年に、第1回が開かれることは喜ばしいこと。豚価は、一昨年PEDの影響で出荷が減少し高騰したが、出荷が回復する中でも、根強い国産豚肉への需要を背景に、概ね例年を上回って推移している。さて、10月に成立した2次補正予算では、畜産クラスター事業、輸出促進策などを拡充した。養豚業でも幅広く活用できる施策を盛り込んだ。将来にわたり、国産豚肉が安定的に生産が続けられる様、万全を期していく」と述べた。

審査報告では、青島正泰審査委員長(日本格付協会専務理事)が、「出品頭数は東日本を中心に12県、54社、1,000頭となった。1,000頭規模はかつてない規模であり、品質を含め“豚の全共”と言っても過言ではない。格付は、極上が48頭、上505頭で、上以上の比率は55.3%だった。メスは66.1%、去勢は39.1%とメスが27%上回った。枝肉重量は平均77.5kg、メス77.4kg、去勢77.9kgだった。上は80kgまでで、79.6%がこの中に入るが、2割で80kgを超した。去勢で超す例が多かった。背脂肪は平均2.0cm、メス1.9cm、去勢2.1cmだった。全体的に外観はバランスが良く、肉づき、ロース芯も充実し高く評価された。名誉賞のスカイミート出品豚は、極上で、バランスが良好で、ロース部の厚みもあった。質・量兼備の枝肉で評価が高かった」と講評した。