世界的チーズコンテスト「WCCC2020」で日本の2工房がシルバー受賞、新潟・佐渡乳業と沖縄・リトルグリークキッチン

左=新潟県・佐渡乳業「農場カマンベール雪の花みそ漬け」、右=沖縄県・リトルグリークキッチン「マリネード読谷ティリー」
世界のチーズ業界において権威あるコンペティション「World Championship Cheese Contest 2020」(WCCC2020、ワールドチャンピオンシップチーズコンテスト2020)がこのほどアメリカで開催され、新潟県・佐渡乳業「農場カマンベール雪の花みそ漬け」、沖縄県・リトルグリークキッチン「マリネード読谷ティリー」2工房のチーズが、シルバーを受賞し、日本のチーズの品質と魅力を世界に向けてアピールした。

WCCCはアメリカ国内コンテストと国際コンテストを毎年交互に行っており、今年は国際コンテストの開催年で33回目。26カ国から3667品が出品され、日本からはチーズプロフェッショナル協会(CPA)が窓口となり、16工房の28品を出品した。

その結果、佐渡乳業のカマンベールのみそ漬けが、たまり味噌の豊かな香りと白カビの心佳い(こころよい)余韻、日本らしさで高く評価。またリトルグリークキッチンのフレッシュチーズのスパイスオイル漬けは、オレガノやローズマリー、ドライトマト、ガーリックなどが溶け込むオイルとチーズの絶妙バランスが評価され、それぞれがカテゴリー2位に与えられるシルバー賞を受賞した。

なおCPAによると、コンテスト最終日の一般向け試食イベントでは、来場者が日本に295ものチーズ工房があること、その品質レベルの高さに驚く場面も多々あったという。日本の工房製チーズは、ヨーロッパで開催の国際チーズコンテストでも昨年、世界最高クラスの賞を受賞し、チーズ伝統国、欧州産に引けを取らない品質が注目されており、今後も高品質な工房チーズが増えてきそうだ。

背景には、EUとの経済連携協定発効で、海外産チーズが身近になる一方、日本のチーズは国際競争力強化が急務になっていることがある。今後、日本の乳製品が輸出解禁になる動きもあり、品質レベルにますます関心が集まることになる。