サントリー食品インターナショナルは、「サントリー天然水」の新たな生産拠点を長野県大町市に決定し、工場立地協定書に調印した。生産拠点は2019年春に着工し、2020年末に稼働する予定。投資額は100数十億円。「南アルプス(山梨県)」、「阿蘇(熊本県)」、「奥大山(鳥取県)」に続く、第4の水源を確保することで供給力を高め、全ての飲料ブランドでナンバーワンを目指す。
「サントリー天然水」出荷数量推移

「サントリー天然水」出荷数量推移

サントリー食品は、3つのエリアの良質な水源で育まれた「サントリー天然水」を展開し、2016年から2年連続で販売数量が年間1億ケース(550mlPET換算で24億本)を上回るなど販売を拡大している。需要の高まりを受け、安定供給体制の構築を目指して、約5年前から新たな水源地を探していたという。

9月7日に長野県大町市で記者会見を行ったサントリー食品の小郷三朗社長は、「60カ所以上の候補地の中から長い時間をかけて第4の採水地を探索し、北アルプスの素晴らしい銘水に巡り合った」とした。

新施設内の野外広場(イメージ)

新施設内の野外広場のイメージ

なぜ、長野県大町市なのか。小郷社長は、「サントリーは、創業のウイスキーをはじめ、ものづくりを始めた時から“良い商品は良い水から”の考えを大切にしてきた。工場立地においても、上質な水が得られることを最も重視した」と話すとともに、「大町市は、市内から望む3,000m級の山々の眺望の素晴らしさとともに、古くから豊かな水の恵みの地であるとして知られ、今も市内の上水道はすべて自然の湧き水で供給されている。水質は適度なミネラル分を含み、クセがなくすっきりした飲み心地で万人に愛される味わいだ。新たな水源地として実現でき嬉しく思う」と話した。

長野県の阿部守一知事は、「長野県のブランド価値に大きく貢献してくれると考えており、歓迎している。これまでの“南アルプス”は、一部は長野県にかかっているものの山梨県(のイメージ)だなということで、県知事の立場としてはこれまで若干さみしい思いをしてきた。だが、これからは北アルプスの天然水もできるということで、私としては嬉しく思っている」と話した。

左から大町市キャラクター「おおまぴょん」、牛越市長、小郷社長、阿部県知事、長野県PRキャラクター「アルクマ」

左から大町市キャラクター「おおまぴょん」、牛越徹大町市長、小郷社長、阿部知事、長野県PRキャラクター「アルクマ」

なお、新たに設置する施設は、単なる生産拠点ではなく、冷たい水の流れを風と共に感じられたり、井戸から汲み上げた地下水に触れることのできる自然を体感できる多目的施設となるという。さまざまなコンテンツを通じて、来場者が同ブランドの価値に触れ、冷たくて清らかである、その「清冽なおいしさ」を体験できる場にしていくねらいだ。

 【新水源の概要】
▽計画地=長野県大町市常盤西山地区
▽面積=約41ha
▽生産能力=年間約1000万箱
▽稼働時期=2020年末(予定)
▽製造品目=「サントリー天然水」

〈酒類飲料日報 2018年9月10日付より〉