〈持続性の高い農園づくり〉
キリンビバレッジは、キリングループの一員として、持続可能な社会に向けて、「健康」「地域社会」「環境」を3つの大きなテーマとして取り組んでいる。「健康」は、同社の技術力を背景にした商品開発で、生活者の健康に貢献するような機能性の高い商品を展開。キリンの独自素材「プラズマ乳酸菌」を活用した商品展開のほか、トクホ商品や機能性表示食品で健康価値を提供する。「地域社会」では、スリランカの農園がレインフォレスト・アライアンス認証を取得する支援を行なっている。「環境」は、容器軽量化などの省資源化の推進や、湘南工場において水力発電によるグリーン電力メニュー「アクアプレミアム」を継続利用するなど、バリューチェーン全体での環境負荷低減を図っている。

「地域社会」については、スリランカの紅茶農園で2つのプログラムを実施している。1つめは、スリランカの紅茶農園のレインフォレスト・アライアンス認証の取得支援をするもの。

2010年~12年に生物多様性のリスク評価を行った時点で、日本が輸入するスリランカ産紅茶葉のうち約25%(日本紅茶協会2011年紅茶統計により)を「キリン 午後の紅茶」が使用していた。

キリングループは、意欲ある農園に対して、生態系保全に寄与する持続可能な農園認証制度「レインフォレスト・アライアンス認証」の取得支援を13年から開始した。トレーニング費用を同社が提供し、監査・認証の費用は紅茶農園側が負担している。17年末には調達先農園の中に占める持続性の高い農園数比率は約50%まで高まってきたという。同社は、同認証を取得することが、「危険物の管理や、農園で働く人や農園に住んでいる人の環境改善にもつながっていることが分かった」としている。

2018年より認証取得支援を小規模農園に拡大するほか、農園の水源保全の実施により、地域の課題解決に取り組み始めた。この活動により、農園は持続性の高い農園として付加価値が高まり、経営や生活レベルが向上し、キリンにとっては、将来的に地域全体で農園の持続性が向上することで高品質な紅茶葉を安定的に使用できる。

もう一つの取り組みが、「キリンライブラリー」の設立だ。06年の「キリン午後の紅茶」発売20周年を機に、翌年07年から始めたスリランカの茶園に併設された小学校等へと図書を寄贈する活動を継続しており、17年には寄贈先が140校を超えた。寄贈内容は、各校に本棚1台、図書を年100冊程度。伝記、物語、図鑑、地図等で、各学校の希望を聞き、現地の書籍を選定している。

〈身近な自販機で啓発活動「ピンクリボン自販機」〉
数多くある寄付型自販機の中でも知名度が高く、かつ早期に確立されたのは、「ピンクリボン自販機」だろう。リードしたのはキリンビバレッジであり、08年秋から設置を開始し設置台数でも1000台強で業界トップクラスとなっている。
「ピンクリボン自販機」

「ピンクリボン自販機」

乳がんは、早期に発見すれば治癒率が高く、ごく早期の場合には約95%が治るといわれており、早期発見のためにも、日頃からのセルフチェックに加え、定期的な乳がん検診が重要。
 
「ピンクリボン自動販売機」は、乳がんの早期発見・早期診断・早期治療の大切さを啓発する「ピンクリボン活動」に賛同し、また活動について周知することを目的に展開しているもの。
 
売り上げの一部は(公財)日本対がん協会「乳がんをなくすほほえみ基金」に寄付される。「ピンクリボン自販機」で商品を購入した全員が募金したことになり、身近な自販機で手軽にピンクリボン活動に参加できる。
 
仕組みは、毎月の売上金から一部(基本2%)を同基金へ同社がとりまとめて寄付している。2%は、キリンビバレッジが1%、設置先が1%を拠出したもの。
 
寄付金は、超音波診断装置やマンモグラフィ検診関係機器など乳がん検診機器や、啓発グッズの制作など、乳がん啓発に向け、さまざまな方面で活用されている。
 
〈食品産業新聞 2018年10月15日付より〉