海洋プラスチック問題が注目される中、日本財団と日本コカ・コーラは5月22日、日本国内における「陸域から河川への廃棄物流メカニズムの共同調査」を開始したと発表した。これは、プラスチック資源の適切な回収と循環利用への貢献を目的とした国内初の大規模調査だ。

両者は全国8カ所で、陸域から河川へ流出した廃棄物を約240キロメールにわたり調査する。どのようなプラスチック資源が、どういった経緯で資源回収スキーム(枠組み)から外れ、河川や海にたどりつきやすいのかといった、プラスチック資源の流出メカニズムを明らかにすることを目指す。調査結果は、9月中旬以降に発表する予定としている。

日本コカ・コーラは昨年、“容器の2030年ビジョン”として、2030年までに販売した商品と同等量の容器を回収・リサイクルすることを目指している。

同社のホルヘ・ガルドゥニョ社長は、日本におけるプラスチック資源のリサイクル率は世界でも類を見ないほど非常に高いとしつつ、「当社推計で、日本におけるPETボトル回収率(可燃物としての熱回収量含む)は98%以上に達している。だが、そこで適切に回収されていないものが約2%あり、その一部が河川や海に流出している。缶やPET容器の流出を減らすため、業界のけん引役としてその点を明らかにすることが重要だと考えた」と調査のねらいを話す。

同調査では、全国8カ所の河川付近のごみ集積所や水路、繁華街の側溝、路側帯など、ごみが滞留することの多い場所をドローンやデジタルカメラにより撮影する。その画像や専用スマートフォンアプリで収集した位置情報を、AIなどの技術を活用して分析するという。
調査で使われるドローンや動画撮影のできる自転車

調査で使われるドローンや動画撮影のできる自転車

共同調査について、長年にわたり海洋問題に取り組んできた日本財団の海野光行常務理事は、「(海洋ごみ問題について、世の中では)エモーショナルな部分が強調されすぎている。ストローやレジ袋などの象徴的なものに対して(人々が)動いている雰囲気がある。しっかりデータを積み重ねて、アクションにつなげることが重要だ」と話した。また、すでに4月20日から神奈川県の境川で予備調査を行っていることを報告した。
 
日本コカ・コーラ環境サスティナビリティ部の柴田充部長は、「PETボトルは、軽く、丈夫であるため有用な容器であり、リサイクルがしやすい素材だ。ただ、海ごみの原因にもなっているのでしっかり調査していきたい」と話した。

予備調査の様子

予備調査の様子

清涼飲料業界では、昨年11月に「プラスチック資源循環宣言」を発表し、2030年までにPETボトルの100%有効利用を目指すことを表明した。
 
その活動のひとつとして、自販機横にあるボックスは、「リサイクルの目的のため、空容器だけを集めている」ことを伝えるため、今年5月から首都圏や近畿圏で50万枚シールを貼付している。

自販機横のボックスが「空容器だけを集めている」ことを伝えるシール

自販機横のボックスが「空容器だけを集めている」ことを伝えるシール

また、飲料大手各社では、回収したPETボトルを利用して新たなPETボトルを作る再生PETボトルの導入が、サントリー食品インターナショナルを筆頭に、急速に進んでいる。
 
使い勝手がよく、リサイクルしやすい素材のPETボトル。持続的可能な社会に向けては、回収の枠組みから外れてしまった約2%分を減らしていくことと、異物と混ぜず、品質の良い状態で回収することが重要になる。