〈軽量・高強度でプラスチック緩衝材の代替にも〉
伊藤園は8月2日、“むぎ茶殻”のリサイクル製品第1号として、古紙パルプの一部を“むぎ茶殻”に代替した緩衝材を開発したと発表した。軽量・高強度でプラスチック緩衝材の代替としての利用も視野に入れる。

むぎ茶飲料の製造時に排出する“むぎ茶殻”を、水を含んだ状態のまま常温保存して輸送・工業製品に配合する技術「むぎ茶殻リサイクルシステム」を2018年10月に確立し、むぎ茶殻のリサイクル製品第1号として、ノーリツ社と共同で「むぎ茶殻配合緩衝材」(給湯用)を開発したもの。近年、環境問題などからプラスチックの代替として、紙を再利用した工業製品が注目がされる中、“むぎ茶”で環境負荷低減を後押しする。

〈緩衝材1組に「健康ミネラルむぎ茶」(650ml)20本分の“むぎ茶殻”を配合、古紙使用量を低減〉
この「むぎ茶殻配合緩衝材」は、従来使用していた古紙製緩衝材の原料である古紙パルプの一部を“むぎ茶殻”に代替することで、古紙パルプの使用量を約20%削減し、かつ緩衝材の重量を約7%軽減したもの。軽量・高強度が特徴だ。1組あたり「健康ミネラルむぎ茶」650mlペットボトル約20本分の“むぎ茶殻”を配合している。湯まわり設備メーカーであるノーリツ社のガス給湯器の輸送梱包材として、9月から使用される予定だ。

茶系飲料カテゴリーでトップの伊藤園が手掛ける環境保全に向けた有名な活動では、「茶殻リサイクルシステム」が挙げられる。「お~いお茶」など緑茶飲料の製造過程で排出される“茶殻”を工業製品の原材料に一部使用する独自のリサイクル活動として、これまで畳やベンチ、人工芝など約100種類の茶殻リサイクル製品を開発していた。

「茶殻リサイクルシステム」の最大のポイントは、含水のまま常温保存して輸送・工業製品に配合できること。茶殻は多量の水を含んでいるため、腐敗しやすく、代替原料化するには乾燥工程が必要となり、燃料消費や二酸化炭素発生が課題となっていた。伊藤園は保存・輸送技術などを確立し、それらの課題を解決。この技術は環境保全関連で数多くの賞を受賞している。

今回の「むぎ茶殻リサイクルシステム」では、「茶殻リサイクルシステム」の技術を応用し、「健康ミネラルむぎ茶」などむぎ茶飲料の生産時に排出する“むぎ茶殻”(2018年度排出量は約26,500トン)の有効利用化を実現する。
伊藤園のむぎ茶飲料販売数量とむぎ茶殻排出量の推移

伊藤園のむぎ茶飲料販売数量とむぎ茶殻排出量の推移

伊藤園の担当者は、「“健康ミネラルむぎ茶”は、“ノンカフェイン”“ミネラル含有”という特徴から多くの方に支持され、近年は夏場に限らず冬場の飲用も増加しています。今回、“健康ミネラルむぎ茶”の製造過程で排出する“むぎ茶殻”を、日本茶の茶殻同様に有効利用するリサイクルシステムを確立したことで、紙製工業製品の高機能原料として活用が可能となりました。今後も、お茶のリーディングカンパニーとしての強みを発揮した資源化への取組みを通じて、持続的発展が可能な社会の構築に貢献してまいります」と話した。