2019年の夏物商材は7月の長梅雨にたたられて厳しいスタート、コンビニのホットコーヒーが好調と伝えられる情勢だったが、同月末の梅雨明け後からの全国的な気温上昇・猛暑により需要のエンジンが点火し、各分野共に反撃体制に転じている。お茶・ミネラルウォーターなど飲料を先頭に、チルド麺などが鋭い追い上げをみせている。序盤の遅れを取り戻せるかどうかは微妙だが、お盆休み明けから9月にかけての残暑商戦まで、勢いに乗って駆け抜けたい情勢だ。

〈清涼飲料〉
清涼飲料市場は、長梅雨の影響を受け、今年7月の販売数量が前年より2割近く減少した。お茶、水、スポーツ飲料などの止渇系飲料で、今春から価格改定した大容量製品を中心に実績を落としている。ただ、比較対象の昨年7月が記録的猛暑で高い実績だったため、実質的には平年の1割減とみるメーカーが多い。

7月末の梅雨明けからは気温が上昇し、8月は実績が上昇中。小売店による大容量製品の店頭企画も復活し始め、勢いが出てきた。最盛期の着実な供給の実現に向け、各社とも取り組んでいる。

〈アイス〉
アイス市場は各社値上げがあった4月の市況は天候も悪く前年比3%減、5月は下旬の暑さ効果で12%増、6~7月は梅雨寒で大苦戦し23%減となったが、8月は連日の猛暑で1~4日が30%増、値上げの影響以上に、暑さに大きく左右される業界の宿命を突き付けられた状況となっている。

昨夏は30度超えるとよく売れるハード氷が、大手メーカーの撤退で「サクレ」「アイスボックス」「パピコ」などに需要が集中、在庫切れ、出荷停止といった騒動となり、今夏はこれを乗り切る在庫量を確保していたが、予想外の7月販売不振で当てが外れた。現在、一部量販店では特売に踏み切る場面も出ている。

市場は6年連続成長を受け、秋の新商品も準備万全、出荷を待つばかりとなっており、夏商材の在庫を8月中に適正水準に戻せるか、夏商戦の最大のテーマとなる。

〈ビール類・缶チューハイ〉
ビール類は、最大ボリューム月である7月が梅雨明けの遅れが祟って前年比9%のマイナスとなった。8月は一転、真夏日が続き好転しているかというと「前年比ややプラスの水準にとどまっている」と流通の顔は冴えない。「30℃を超えるとビールは敬遠される」ということもありそう。

むしろ好調なのが缶チューハイで2割近くのプラスで推移している。氷を浮かべて飲むスタイルの酒類が伸びている。

8月20日には秋限定商品がビール各社から発売され、猛暑頼りというよりは、増税前仮需も含めてすでに戦いの季節は9月に移っている状況だ。

〈チルド麺〉
コンビニ・量販店向け調理めんは7月25日から注文が増え、8月に入ってから爆発的に出荷が増えている。特に反応の早いコンビニが絶好調だ。酷暑だった昨年の数字が大きすぎるため、前年クリアは難しいとしつつ、6~7月中旬までの不調を取り返す形になった。

また、「ゆでずに食べられるチルド麺」は、シマダヤ「流水麺」、東洋水産「つるやか」、日清食品チルド「そのまんま麺」が出そろってラインナップが充実、春先から市場も拡大していた。しかし、7月は長梅雨で「ゆでずに食べられるチルド麺」も前年同期を下回る動き、特に関東地方での落ち込みが大きいようだ。

それも7月4週から復調、今後どれだけ数字を積み上げられるかが、各社喫緊の課題だ。

〈乾麺〉
手延べそうめん最大手は5月の10連休を見越して早い時期から出荷に拍車をかけ、5月末時点で前年より約6万ケースの出荷増と絶好調。ところが最盛期の7月に気温が上がらず、大苦戦。その後、関西では7月下旬にようやく梅雨明け、全国的な猛暑が到来して出荷量は前年の倍という日もあった。早い段階での取り組みと、遅れてきた猛暑で「被害を最小限で食い止めた」といえるだろう。残暑にも期待。

〈コンビニ〉
コンビニエンスストアでは、7月下旬の梅雨明けまでは気温が低く、飲料、アイス、冷やし麺などが低迷。フラッペ(ファミリーマート)、ハロハロ(ミニストップ)などのコールドデザート類の売り上げも厳しかった。一方でホットコーヒーは好調だった。

梅雨明け以降、気温が急激に上がってからは、一転して夏物が好調に動き始め、客数も伸びている。飲料ではお茶、ミネラルウォーター、炭酸飲料のほか、ドリンク剤やエナジードリンクも好調に推移している。ただ、猛暑日の続く関東は好調だが、台風が連続して上陸している九州などは客数が伸び悩んでいる。