「伊藤園健康フォーラム」開催、お茶で人生100年時代を豊かに/伊藤園〈サステナビリティの取り組み〉

おいしいお茶のいれ方体験会などを各地で実施(伊藤園)
伊藤園は、「茶畑から茶殻まで」の独自の一貫体制により、高品質な製品を提供している。調達、製造・物流、商品企画・開発、営業・販売まで全ての事業において自社への価値と併せて環境・社会面で価値を創造し、環状のバリューサークルを形成していることが強みだ。持続的成長に向けた活動では、2030年をめどに「お~いお茶」で使用する全てのPETボトルを、再生PET樹脂を使用した“100%リサイクルPETボトル”に切り替える取り組みを開始したほか、製造過程で排出された茶殻を有効利用する「茶殻リサイクルシステム」の拡大などに取り組む。また、高齢社会に向け、お茶を題材とした「伊藤園健康フォーラム〜お茶で人生100年時代を豊かに生きる知恵〜」を開催した。

伊藤園は、「お~いお茶」発売30周年記念企画のひとつとして、「人生100年時代を豊かに生きるには」という「健康価値」をテーマに、“お茶の伊藤園”として日本文化の一つであるお茶のさらなる健康価値を伝える「伊藤園健康フォーラム」(主催:伊藤園中央研究所)を今年5月に開催した。緑茶飲料トップであり、リーフ(茶葉)市場でもリーディングカンパニーである同社が、日本茶そのものの価値を幅広く発信する活動に注力していることから、注目が集まっている。

フォーラムでは、「人生100年時代を豊かに生きるには」をテーマに、平均寿命世界一の日本は、どのように寿命を獲得してきたのか、「健康寿命」を延ばすために伊藤園ができること、そして、お茶に期待される役割などについて、専門家による講演やパネルディスカッションが行われた。

また、日常生活においてお茶を楽しむ活動「お茶活」をキーワードに、会場では、五感を使ったお茶の体験コーナーが用意され、多くの来場者が参加。〈1〉マインドフルネスでは緑茶を活用した10分リセット体験〈2〉摘みたてのお茶を昔ながらの手法で荒茶にする手揉みコーナー〈3〉氷水出し緑茶を体験する氷水出しコーナーなど、さまざまなアトラクションで盛り上がりをみせた。

そのほか、同社のお茶の健康性に関する研究やお茶に関する製品開発など、さまざまな展示も行われた。

今後も、世の中が高齢社会に向かうことから“人生100年時代”に関するテーマを定め、お茶を主な題材に、同社の取り組みや考え方を「健康フォーラム」で継続的に発信する考えだ。

「健康ミネラルむぎ茶」と「むぎ茶殻配合緩衝材」(給湯器用)

「健康ミネラルむぎ茶」と「むぎ茶殻配合緩衝材」(給湯器用)

 
〈「むぎ茶殻リサイクルシステム」開発〉
また、同社は2019年8月に“むぎ茶殻”のリサイクル製品第1号として、古紙パルプの一部を“むぎ茶殻”に代替した緩衝材を開発したと発表。軽量・高強度でプラスチック緩衝材代替として利用されている。
 
これは、むぎ茶飲料の製造時に排出する“むぎ茶殻”を、水を含んだ状態のまま常温保存して輸送・工業製品に配合する技術「むぎ茶殻リサイクルシステム」を2018年10月に確立し、むぎ茶殻のリサイクル製品第1号として、ノーリツ社と共同で「むぎ茶殻配合緩衝材」(給湯器用)を開発したもの。近年、紙を再利用した工業製品が注目される中、“むぎ茶殻”(2018年度排出量約2万6500トン)の有効利用化を実現し、環境負荷低減を進める。
 
同緩衝材は、古紙製緩衝材の原料である古紙パルプの一部を“むぎ茶殻”に代替して古紙パルプ使用量を約20%削減し、緩衝材の重量を約7%軽減。1組あたり「健康ミネラルむぎ茶」650mlPETで約20本分の“むぎ茶殻”を配合する。
 
同社の環境保全活動では、すでに「茶殻リサイクルシステム」が知られている。これは、含水のまま常温保存して輸送・工業製品に配合できることが特徴。茶殻は多量の水を含むため、代替原料化するには乾燥工程が必要となり、燃料消費や二酸化炭素発生が課題となっていた。伊藤園は保存・輸送技術などを確立し、それらの課題を解決。緑茶飲料の製造過程で排出される“茶殻”を工業製品の原材料に一部使用する独自のリサイクル活動として、これまで畳やベンチ、人工芝の充填剤など約100種類の茶殻リサイクル製品を開発している。