伊藤園の「お~いお茶」が世界で売り上げを伸ばしている。販売国数は30カ国以上となり、販売数量(2019年5~9月)は、対前年同期比113%となった。特に注力している地域は北米と中国で、北米エリアは同123%、中国エリアは同120%と好調だ。

この背景には、世界中で有糖飲料から無糖飲料へニーズが変化していることがある。肥満に該当する過体重の人数は約7億1200万人となり、世界人口の約10%にあたる。また、有糖飲料に課される砂糖税の導入国は、世界22カ国となるなど、健康は世界的に大きなトレンドだ。

それに伴って、伊藤園でも無糖飲料製品の構成比が大きく伸びており、北米では5年間で10%以上増加し(2014年時46.6%、2018年時57.6%)、中国では40%近く増えている(2014年時49.4%、2018年時87.9%)。

北米にも「グリーンティー」は昔から存在したが、加糖で日本の緑茶とは全く異なるタイプである。ここまで成長したのは、無糖で楽しむことの多いジャパニーズティー(緑茶)の魅力が伝達できたからだろう。

北米伊藤園の本庄洋介社長は、11月下旬に行われた「日本の食品輸出EXPO」の伊藤園ブースにおいて、本紙の取材に対し、「北米と中国をメインに、徐々に事業規模を拡大している。“お~いお茶”もだんだん浸透してきたイメージだ。北米で発売した当初は、現地の人が漢字が読めないことから“ティーズティー”ブランドを出し、その中で、お~いお茶、ジャスミン茶、烏龍茶を販売した。それが飲まれるようになり、3年前くらいから日本で飲まれている緑茶が飲みたいというニーズが高まってきた」。

「特に、シリコンバレーに行くと、私も驚くほど“お~いお茶 緑茶”が多くの企業の机に並んでいる。なぜ飲むのかを聞くと、無糖であることを挙げる人が多い。要はヘルシーだということだ。さらに、朝飲むと適度な渋みで気分がシャキッとするという。その意味でスーパーフード系のエナジードリンクと捉えられているそうだ。日本では考えられないが、そのように捉えられているのが我々の強みであり、しっかり展開することで、北米を成功モデルとして世界に日本の緑茶を広げていけたらと考えている」と話した。

同社は、海外における「お~いお茶」の飲用を、スペシャルな体験ではなく、食事の時に飲むなど、習慣化につなげたい考えだ。2020年は東京オリンピック・パラリンピックがあるため、訪日客にお茶のスペシャルな体験をしてもらい、帰国後に各国で販売する店舗が増えることにより、「お~いお茶」の認知を広げていく考えだ。
抹茶は海外ではスーパーフードとして人気が高まっている

スーパーフードとして人気が高まっている抹茶の商品群

 
さらに、抹茶もスムージーやデザートに使用して楽しむ、スーパーフードとして人気になっている。ただ、展開各国の競合品では品質の高くない抹茶を使用した商品が出回っているなどの課題があるという。同社広報担当者は、「日本産の高品質な抹茶の素晴らしさを伝えていきたい」とする。人気が高まれば、海外のカフェチェーンで抹茶がトッピングのひとつになる日がくるかもしれない。