コロナ禍に対応した自販機とは 伊藤園は衛生、非接触、健康に配慮して延べ6万5000台展開

伊藤園の自販機
伊藤園は、“With コロナ”、”After コロナ”における自動販売機(自販機)の取り組みとして、クリーンネス(衛生)・キャッシュレス(非接触)・ウェルネス(健康)を3本柱に、機能を高めている。

国内の自販機台数は、2014年に247万台をピークに減少傾向となっている(伊藤園調べ)。減少要因は、コンビニエンスストアの出店加速など競合する販売ロケーションの増加などが考えられる。一方で、災害時において避難所に指定されている場所や学校などでは、飲料供給を目的とした社会インフラとなっていることも事実だ。

そのような中、新型コロナウィルスが蔓延し、非対面の自販機に対する見方も変化しつつあり、再度注目され始めている。伊藤園は、自社の自販機をコロナ禍に対応するものとするため、クリーンネス自販機を40000台(計画)、キャッシュレス自販機を20000台、ウエルネス自販機を5000台展開している(6月末現在)。同社は、「安心して利用いただける社会に必要とされる自販機を積極的に展開します」とする。

〈コロナ禍時代に即した伊藤園自販機の概要〉
◆クリーンネス
自販機は多くの人が利用し、その頻度に比例して汚れも付着する。特に女性は不衛生な自販機で購入を控える傾向にあり、清潔感は自販機に求められる重要な要素となっている。そこで購入ボタンなど消費者が触れる箇所のアルコールによる除菌や清掃の徹底に加え、抗菌効果のある茶殻を配合した茶殻抗菌シールを貼付することにより、安心して購入できる衛生的な自販機づくりに取り組む。さらに、抗ウイルスシートも同様に貼付し、より安心して利用できる取り組みを進めている。

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◆キャッシュレス
現金に触れることに抵抗を感じる人が増え、また、消費税率変更を受けて実施されたキャッシュレス決済のポイント還元を背景に、キャッシュレス決済率は増加傾向にある。伊藤園では、2009年に交通系電子マネーの搭載を展開し、直近では駅ナカのキャッシュレス決済はその他のロケーションに比べ、より多くの人たちに利用されているという。加えて、近年はタッチレスで決済できるQRコード決済の利用頻度も増加している。
 
そのような中、「PayPay」「楽天ペイ(アプリ決済)」「Alipay」などのQR コード決済が利用できるIT アクセス機を積極的に導入し、キャッシュレス対応自販機を現在20,000台展開している。このQRコード決済は、2020年7月より「au PAY」が加わり、現在では8社のQRコード決済が可能となり、消費者のさらなる利便性を追求している。

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◆ウェルネス
もともと、お茶を中心に健康的な商品を数多く展開する同社だが、その中でも「健康」に特化した品揃えの自販機を「ウェルネス自販機」と位置付け、オフィスロケーションなどでの導入を進めている。設置した場所では、利用者の健康意識向上のきっかけにもつながっているという。

健康に特化した品揃えの「ウェルネス自販機」

健康に特化した品揃えの「ウェルネス自販機」