「生茶」を環境のフラッグシップブランドに、注力テーマの「健康」と「環境」を見える形で展開/キリンビバレッジ

キリンビバレッジ「生茶」「生茶 ほうじ煎茶」ラベルレス6本パック
キリンビバレッジは、2021年から「生茶」を「摂りすぎない健康」の価値に加え、環境のフラッグシップブランドと位置づけて積極展開する。

ブランド好意度を向上させるねらい。「生茶」と「生茶 ほうじ煎茶」の2本柱の確立と「生茶デカフェ」の育成でブランドの幹を太くする考えを、1月21日にオンラインで開催した事業方針説明会で発表した。

コロナ禍で生活者の健康ニーズが高まっていることから、キリンビバレッジは2021年の商品戦略で、無糖と低糖の「摂りすぎない健康」と、機能性表示食品などの「プラスの健康」に注力する。

また、環境にやさしい経営を商品で具現化し、「生茶」を環境のフラッグシップブランドに位置付けて、ラベルレスや再生PET樹脂100%のパッケージを導入していく。人を支える「健康」と、社会にやさしい「環境」への取り組みを、2021年のテーマとして活動する考えだ。

具体的な活動では、量販店とECで「生茶」と「生茶 ほうじ煎茶」(各525mlPET)のラベルレス商品を新たに3月23日から展開する。また、コンビニエンスストアでは、再生PET樹脂100%の容器の導入を、従来から取り組む「生茶デカフェ」(430mlPET)に加えて、「生茶」、「生茶 ほうじ煎茶」(各600mlPET/3月中旬発売)にも拡充する。自販機ではラベルを短尺化しプラスチックの使用量を減らしていく。浸透すれば、環境のフラッグシップブランドとして、存在感を発揮しそうだ。

2020年の清涼飲料市場は、新型コロナの感染拡大で人の移動や活動が減ったため、販売数量が約7%減少した(キリンビバレッジ調べ)。ただ、その中で特定保健用食品と機能性表示食品の飲料は前年並みを維持しており、また、お茶やコーヒー、炭酸水などを中心とした無糖飲料カテゴリーは前年比1%増になるなど健康カテゴリーは堅調だった。

キリンビバレッジも、「摂りすぎない健康」に位置付ける「午後の紅茶」の無糖と微糖商品が6%増、「ファイア ワンデイ ブラック」も1割増になったほか、新たに発売した「生茶ほうじ煎茶」、「キリンレモン スパークリング無糖」がヒットした。さらに、「プラスの健康」では、機能性表示食品の「iMUSE(イミューズ)」のヒットもあり、プラズマ乳酸菌入り飲料が前年比約2.4倍の321万箱まで成長している。

機能性表示食品「iMUSE(イミューズ)」

機能性表示食品「iMUSE(イミューズ)」

今年も、注力ブランドを中心に、伸長する「摂りすぎない健康」の拡張を進める考えだ。「生茶」、「午後の紅茶」、「キリンレモン」の無糖・微糖商品を育成するとともに、好調な「ファイア ワンデイ」シリーズのラインアップを拡充する。新商品は、3月2日から「ファイア ワンデイ ラテ微糖」(600mlPET/税別148円)をゴールドのパッケージで展開する。

「ファイア ワンデイ ラテ微糖」

「ファイア ワンデイ ラテ微糖」

「プラスの健康」では、昨年ヒットした「イミューズ」ブランドを継続育成するとともに、ラインアップ拡充を行う予定。FANCL社との共同開発商品の拡張も行い、「キリン×FANCL デイリーアミノウォーター」(555ml/税別138円)を4月16日に投入する。

「キリン×FANCL デイリーアミノウォーター」

「キリン×FANCL デイリーアミノウォーター」

1月21日に事業方針をオンラインで説明したキリンビバレッジの堀口英樹社長は、「2021年もウィズコロナの状況で始まっている。今年も環境変化に柔軟に対応しながら事業経営を行うことが基本だ。ただ、先行きが不透明な中でもぶれることなく、CSV(顧客や社会と共有できる価値の創造)を基軸としたポストコロナに向けた再成長というのをスローガンに今年1年進めたい。特に健康と環境の2つの領域に注力して、再成長の源泉にする。今年は健康・環境のテーマを代表的な商品ブランドにビルドインする(組み込む)ことで、具体的に見える形で展開していく」と話した。