「午後の紅茶」と「クラフトボス」が激突、“5種の果実のフルーツティー”でまさかの丸かぶり

サントリー食品インターナショナル「クラフトボス フルーツティー」、キリンビバレッジ「午後の紅茶 ザ・マイスターズ フルーツティー」
紅茶飲料でシェアトップの「午後の紅茶」と紅茶飲料では新参者の「クラフトボス」が、5種類の果実を使用したフルーツティーを4月から相次いで発売する。同じ種類の新商品が同時期に発売されることはあるが、今回は使用する果実の数まで同じだ。メジャーブランドの商品がここまで似てしまうのは珍しい。双方の広報担当者は、「ほぼ同時のタイミングでびっくりした」、「驚いたが味はかなり違うはず」と話している。

サントリー食品インターナショナルは2月22日、「クラフトボス フルーツティー」(450mlPET/税抜140円)を4月20日に発売すると発表した。その2日後の2月24日に、キリンビバレッジは「午後の紅茶 ザ・マイスターズ フルーツティー」(500mlPET/税抜140円)を4月6日に発売すると発表した。両商品は、5種の果実を使ったフルーツティーという点が共通している。

「クラフトボス」は、ペットボトルコーヒー市場を盛り上げている中心的なブランドだが、紅茶に関しては2019年からの発売であり、いわば新参者だ。一方、「午後の紅茶」は、2021年で発売35周年を迎える紅茶飲料のトップブランドである。その両社がぶつかる新商品のフルーツティーは、中味にどのような違いがあるのか。

「クラフトボス フルーツティー」は、5種の果実(オレンジ・りんご・もも・パインアップル・マンゴー)をブレンドし、果汁を9%配合。果実の満足感ありながら、すっきり快適に飲める“新感覚フルーツティー”を目指している。

「午後の紅茶 ザ・マイスターズ フルーツティー」は、5種のフルーツ(果汁0.5%=りんご・レモン、 エキス=もも・マスカット・いちご)の芳醇な香りが楽しめる甘くない微糖のフルーツティー。世界三大銘茶のダージリン茶葉を10%使用していることも特徴だ。

使われているフルーツは、“りんご”と“もも”が共通している。果汁の量では、「クラフトボス」に軍配が上がり、フルーツ感を楽しめそうだ。茶葉ではダージリンを一部使用する「午後の紅茶 ザ・マイスターズ」の方が華やかな香りを期待できる。微糖のためカロリーを気にする人からも支持されそうだ。同じようなコンセプトに見えるが、味覚は相当異なるかもしれない。

紅茶飲料市場は、順調にユーザーを拡大している。ミルクティーは以前から愛飲者が多いが、昨今では健康志向や本格的な味わいを求める傾向から無糖や微糖タイプの人気が高い。また、在宅時間が増える中でティーバッグや茶葉など、手淹れの紅茶を楽しむ人々が増え、紅茶への注目はさらに高まっている。両社が今回フルーツティーの新商品を投入するのは、フレーバーの選択肢を広げて紅茶飲料ユーザーの期待に応えるためだ。両社とも発表と同時に消費者キャンペーンをすでにスタートしており、フルーツティーの注目を集める活動を活発化している。