完売続出「一蘭」初のカップラーメン、「企業秘密が詰まったこだわりの味」開発秘話とは

カップ麺「一蘭とんこつ」の細麺
天然とんこつラーメン専門店「一蘭」初のカップ麺「一蘭とんこつ」が話題化し、発売から間もなく完売店舗が続出。入手難の状況が発生しているようだ。

正式な商品発表の前には、「一蘭から、アレが出ます」と題し、「とある商品を発売します」と、カップ麺であることを含め具体的な商品内容を一切明かさないプレスリリースが打たれており、一蘭としても大きな話題になるという確信を持っていたと見える。

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「一蘭から、アレが出ます」(事前PRに掲載されたイメージ画像)

「一蘭から、アレが出ます」(事前PRに掲載されたイメージ画像)

 
内容量128g(めん60g)。具材無しでありながら税込490円という、カップ麺としてはかなり強気の価格設定。「企業秘密がたっぷり詰まったこだわりの味」で、「ライバルは、お店の一蘭」だという。パッケージ表記では、具材を入れていない理由を「ラーメン本来の純粋な味わいを楽しんでいただくため」と説明している。

カップ麺「一蘭とんこつ」パッケージ

カップ麺「一蘭とんこつ」パッケージ

 
通販サイトに掲載された「開発秘話」によると、一蘭では20年以上前から、利用客による商品化の要望、多くの企業による共同開発の話を受けていた。しかし、「一蘭のこだわりを形にできる技術の実現」や「満足のいく味わいのカップ麺を作ること」が難しく、試行錯誤を繰り返してきた。
 
一蘭によると、一般的にとんこつラーメンのカップ麺では、「麺」の歯応えが強調されがちだという。試作で最初に出来上がった麺はバサバサして“粉感”が強く、「福岡らしい麺ではあるが、決して一蘭らしくはない」ものだった。そこで一蘭では、「一蘭らしい麺とは」と、改めて自社の麺の特徴を見つめなおし、歯応えの中に潜むなめらかさ、しっとり感や麺の溶け方などを多角的に調整し、「一蘭らしい麺」の開発に成功したという。
 
また、一蘭の真髄である「とんこつスープ」は、口当たりや豊かな風味の演出が重要。粉末だけならとんこつスープを舌で感じることができるが、鼻腔に香りが残りにくい。液体だけではとんこつ特有の微細な舌触りやとろみの表現が難しい。と、それぞれの研究を重ねた結果、最終的に「粉末も液体も、両方いれる」との決断に至ったという。

特有の臭みをしっかり抑えた香り高いスープ(カップ麺「一蘭とんこつ」)

特有の臭みを抑えたスープ(カップ麺「一蘭とんこつ」)

 
麺やスープに絡む「秘伝のたれ」は、一蘭に4人しかいない“秘伝のたれ職人”が試行錯誤を重ね、麺やスープとの相性を考慮し、カップ麺のためだけの特別なたれを開発した。
 
それらの結果できあがったカップ麺「一蘭とんこつ」の「麺」は、一蘭のラーメンの特徴である「ストレートで小麦の風味が感じられる細麺であること」を表現すべく、特注のノンフライ麺を使用。麺の太さや小麦の配合、加水率などを微調整し、スープとよく絡み、一蘭特製生麺のような食感を楽しむことができるという。
 
「スープ」はとんこつの旨味を最大限に引き出しつつも、特有の臭みをしっかり抑えた。そして粉末と液体の2種類を合わせることで、奥行きのある風味やなめらかな口当たりを出し、スープに含まれる特製香味油が、さらに味わい深さを際立たせる。
 
「秘伝のたれ」は店舗の「赤い秘伝のたれ」調合技術を生かし、唐辛子を基本に特別調合し、単なる辛さだけではなく、旨味や甘味も感じられるよう仕上げた。
 
20年の歳月をかけた開発を終え、動画コンテンツや特設サイトも用意し、満を持してカップ麺「一蘭とんこつ」を発売したのは2月15日。全国の「一蘭」店舗や一部コンビニ・小売店のほか、公式通販サイト「おみやげ一蘭」でも取り扱いを開始したが、通販分は即日完売。一蘭の公式Twitterアカウントでは、通販サイトでは予想を上回る注文があったこと、「一蘭」店舗でも完売が発生したことと共に、「今週中に再入荷」の予定があることがアナウンスされた(2月17日15時の時点では通販在庫なし)。 
 
SNSの様子を伺うと、品薄となった「一蘭とんこつ」を探し求め、コンビニや量販店を巡っている人も多い様子。近隣の店舗で見つからなければ、再入荷を待つのもひとつの手かもしれない。
 
◆「おみやげ一蘭」公式通販サイト内「一蘭とんこつ」特設ページ