六本木ヒルズで「ボトルtoボトル」リサイクルを実証実験/日本コカ・コーラ、コカ・コーラ ボトラーズジャパン

六本木ヒルズで「ボトルtoボトル」リサイクルを実証実験
〈六本木ヒルズ内で回収された事業系PETボトルを再びコカ・コーラ社の容器にリサイクル〉
日本コカ・コーラとコカ・コーラ ボトラーズジャパンは、2021年11月18日から都市部の事業所における資源循環モデルの構築と持続的運用に向けた「ボトルtoボトル」リサイクル実証実験プロジェクトチームに参画している。

森ビル社が運営する六本木ヒルズ(東京都港区)で、事業系PETボトルの新たな資源循環モデルの確立を目指す日本初の取り組み。六本木ヒルズ森タワー内の実証実験対象エリア(42階オフィス部分)で発生した使用済みPETボトルを、専用の自動回収機(RVM)と既設の分別回収ボックスで回収する。実験期間中に回収するPETボトルは約2.1万本(約420kg)を想定している。

通常は使用済みPETボトルの回収からリサイクルまで、複数の業者・ルートを経由しているところ、今回の実証実験では、森タワー内で回収・圧縮まで行う。地下に設置したベーラーで圧縮した後に、PETボトルを直接「ボトルtoボトル」のリサイクルを行うリサイクラーに輸送することでたくさん運べるため、輸送効率を高めながら確実にリサイクル用の資源として提供できることが特徴だ。

ベーラー

実証実験について説明する、日本コカ・コーラ社サスティナビリティー推進部飯田部長

 
ベーラーには、上部扉から圧縮するPETボトル容器を投入する。PETボトルの投入が終わったら上部の扉を閉めてPETボトルをつぶしていく。1度のプレスにかかる時間は約20秒。プレスはPETボトルの状況に応じ、複数回行う。十分に圧縮したところで前面の扉を開放する。このベーラーを使用することでPETボトルは約8分の1に圧縮できるという。

ベーラーでの圧縮

ベーラーでの圧縮

 
飲料用PETボトル容器として再生させる「ボトル to ボトル」リサイクルの具現化を目指し、排出事業者と飲料メーカー、リサイクラーの協働による新たなシステムの構築および運用に挑戦するという。
 
今回の実証実験は、環境省の「令和3年度バイオプラスチック及び再生材利用の促進に向けた調査・検討委託業務」の一環である『環境省 プラスチックの資源循環に関する先進的モデル事業』として実施されている。 
 
2社およびプロジェクト参加企業は、この実証実験を通して、生活者に日常における行動変容を促すとともに、資源の効率的な利用を通じて、日本の資源循環の推進に貢献することを目指し、一連の事業で発生するCO2発生量も抑制可能な新たな資源循環システムの構築、および運用に取り組んでいく考えだ。
 
森ビル社のタウンマネジメント事業部の中裕樹氏は、1月17日に六本木ヒルズで開かれた説明会において、今回の取り組みについて次のように語った。「都市部の事業所における資源循環モデルの構築と持続的運用を目指している」「輸送効率を高めながら、確実に水平リサイクル用の資源として提供するということを考えている」「森ビルは今回の実証実験の結果を用いて、六本木ヒルズ、森ビルが運営するほかの再開発プロジェクトでも応用できる資源循環の事業を推進していく」。
 
また、日本コカ・コーラ社のサスティナビリティー推進部の飯田征樹部長は、次のように語った。「今回の森ビルのような大都市のPETボトルが大量に消費されるエリアで、このような新しいPETボトルのリサイクルの取り組みができることは、日本だけでなく世界に向けて発信できる非常にユニークな取り組みだと認識している。このような取り組みに、コカ・コーラシステムとしても全面的に協力させていただく。日本のPETボトル回収率はすでに96.7%だが、さらなる向上することが期待される。私たちも昨年から“コカ・コーラ”などで100%リサイクルPETに取り組んでいるが、より多くの方に知っていただき、循環利用につなげていければと考えている」
 
なお、コカ・コーラ ボトラーズジャパンは、六本木ヒルズのコラボレーションパートナーを務め、施設内には約100台(2022年1月時点)のコカ・コーラ自動販売機等を設置している。今後も、施設利用者に対して飲料容器の適切な分別回収を促すとともに、資源循環利用の啓発に協力するという。
 
【実証実験の概要】
名称:「ボトルtoボトル」リサイクル実証実験
実験主体:森ビル社、日本コカ・コーラ社、コカ・コーラ ボトラーズジャパン社、トムラ・ジャパン社
期間:2021年11月18日〜2022年2月28日
場所:六本木ヒルズ
実験内容:PETボトルの資源回収・循環の試行、持続・水平展開の可能性検証にむけたオフィスワーカーの行動変容の試みと、事業所内における資源選別・減容の実施
 
〈回収〉実証実験対象エリア(森タワー42階森ビルオフィス)への自動回収機設置(2台)、社員への分別方法の周知
〈処理〉六本木ヒルズリサイクルセンターにベール機導入、1/8の容量に圧縮されたPETボトルベールを搬出
〈フロー〉回収したベールをリサイクラーに直送

事業系PETボトルの都市型資源循環モデルのイメージ

事業系PETボトルの都市型資源循環モデルのイメージ