ミネラルウォーターの生産量が2年連続過去最高、市場は20年前の4倍に

ミネラルウォーターの生産量が2年連続過去最高、市場は20年前の4倍に(画像はイメージ)
2021年(1〜12月)のミネラルウォーターの生産数量は、国産品が前年を大きく上回り、2年連続で過去最高となった。一般社団法人日本ミネラルウォーター協会が4月8日に発表した生産・輸入数量の調査結果によると、2021年度のミネラルウォーター類の国内生産量は415万4338キロリットル(前年比108.1%)、輸入量は28万7611キロリットル(前年比84.8%)で、合計444万1949キロリットル(前年比106.2%)だった。この20年間で市場規模は約4倍になった。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛・飲食店の営業時間短縮などが実施される中ではあるが、国産品は、家庭での需要に支えられて2年連続で伸長した。一方、輸入品は、飲食店の営業時間短縮が大きく影響し、2年連続で減少している。

ミネラルウォーター類 国内生産、輸入の推移

ミネラルウォーター類 国内生産、輸入の推移

 
金額では、国内生産が3319億2500万円(前年比108.5%)、輸入が136億9800万円(前年比80.5%)となり、合計で3456億2300万円(前年比107.0%)となった。
 
日本ミネラルウォーター協会は、市場が拡大している背景について次のようにコメントしている。「昨年、一昨年と続いているコロナ下での動向でもわかるように、お客様がミネラルウォーター類を生活の中の飲料水として受け入れて下さっている結果だと思っています。今やミネラルウォーター類は、料理や乳児用ミルクにも使用されるなど、日常の生活の中での必需品となってきています」。
 
「地下水を起源とするミネラルウォーター類がさらに成長するためには、資源を枯渇させない取り組み、すなわち水源の保護・涵養(ゆっくり養い育てること)が何よりも大切になります。自然からの恵みであることを深く認識し、地下水保全・環境保全に努めていくことが一層求められると思います」。
 
2011年の東日本大震災以降、地震や豪雨などの災害が多発し、ミネラルウォーター類の「命の水としての役割」は重視されている。万が一のための保存水として備蓄が進められているが、食品ロス削減の観点から、備蓄の方法にも様々な工夫が求められるようになっている。
 
なお、日本国民1人あたりの年間消費量[(国内生産量+輸入数量)÷人口]は、2021年は35.4リットル/年となった。前年より2.1リットル増加し、5年前より7.6リットル増加している。ただし、アメリカ(114.7リットル/年、2020年調査)やドイツ(114.7リットル/年、2020年調査)などの諸外国に比べると、日本はまだ低い水準となっている。