今年は恵方巻きより「初午(はつうま)のいなり」に注目 ヨークベニマル

昨年から仕掛けた「寒たまご」は大ヒットした
ヨークベニマル(福島県郡山市)の惣菜製造子会社・ライフフーズの松崎久美社長は、「恵方巻きよりも今年は初午(はつうま)のいなり寿司」と話す。今年の節分(2月3日)は土曜日にあたり、小売各社では毎年伸長している「恵方巻き」の売り上げを、今年はさらに伸ばす方向で力が入っている。海鮮素材をたくさん使い、年々豪華になっていく恵方巻きについて松崎社長は、「今年は土曜なので必ず伸びるが、恵方巻き自体はもう下火」と見ている。

同社では「大寒の日」(毎年1月20日前後)に産まれた「大寒の卵」に、昨年から着目している。大寒の卵は栄養価が高く、金運や健康運を呼び込むと言われる。同社では「小寒」(1月5日前後)から大寒までの「寒のうち」の時期に産まれた卵を「寒たまご」とし、弁当や寿司に使う玉子焼き、茶わん蒸し、たまごサンドなど、あらゆるメニューに使用して売り込んでいる。昨年初めて取り組み、「(人気が)大爆発した」(松崎社長)という。1月19日に新規開店した「ヨークベニマル日立河原子町店」の惣菜売場でも大々的に展開された。

「寒たまご」を使ったメニューは、決して「ハレの日」のご馳走ではなく、ごく普通のメニューばかりだが、切り口を工夫することで顧客の購買意欲を刺激できるという。同社では「ご馳走に頼らない」こういった取り組みを毎週できないかと知恵を絞っている。
昨年毎月17日が「いなりの日」に制定されたが、松崎社長は「毎月では特別感が薄れる。年に1度ぐらいがいい」と話し、初午(今年は2月7日)に照準を定めた。何か特別ないなり寿司を用意するのかと聞けば、「しないしない。店内で作った、まだ温かいできたてのいなり寿司を販売する」と話した。

「恵方巻きは下火」とは言いつつ、同社では今年も節分の日は、店内で作ったできたての恵方巻きを全店で販売する。松崎社長は、「そのための人員体制はちゃんと準備している」とも話す。「初午のいなり」は恵方巻きの翌週の企画として、「寒たまご」のように爆発するか。今年の同社の初午の販売動向に注目が集まる。

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