2019年歳暮ギフトは増税の影響で“お得感”強調の傾向、百貨店の閉店続き地方スーパーが需要の受け皿に

2019年の歳暮ギフトは増税の影響で“お得感”強調の傾向(画像はイメージ)
スーパー各社の歳暮ギフトは、増税後の節約志向を受け、お得感を強調する傾向が再び高まっている。ただ、百貨店各社が配送料込み商品の強化でお得感を訴求しているのに対し、スーパー各社では、高騰する物流費の吸収が難しくなり、これまでの本体価格2500円以上全品配送無料のサービスやめるところも出てきた。イオンやユニー、イズミなどは、一定の配送料を取る形に改めている。

スーパー各社では、百貨店で減少傾向の早期割引を引き続き強化し、加えてボーナスポイント付与の対象商品を拡充することで、お得感を訴求している。

商品面では日頃から店頭で販売する生鮮食品、PB(プライベートブランド)商品をギフトに仕立て、上質なものを値頃で提案するところが多い。

スーパー最大手のイオンは、健康や環境に配慮したPB「トップバリュ グリーンアイ」を前面に出す。オリジナル商品の「純輝鶏」、「ナチュラルポーク」、成長ホルモンや遺伝子組み換え飼料を使わずに育成した「タスマニアビーフ」などを、鍋セットやローストビーフ、スモークチキンなど年末年始の食卓に合うギフトにした。イオンが国内で展開するフランスの冷凍食品専門店「ピカール」のギフトも育ちつつある。サーモンパイの包み焼き、フォアグラのスライス、ジャガイモとトリュフのエクラゼなど、他店にない本格フレンチを提案する。

百貨店の閉店が続く地方では、その地域のスーパーが百貨店需要の受け皿になっているケースもある。とりわけ中元・歳暮は各地域のリージョナルスーパー(特定地域で展開するチェーン)が担っており、西日本では大型ショッピングセンター「ゆめタウン」を展開するイズミ(広島)がギフトの重要な提供場所になっている。イズミではお茶と海苔の老舗「山本山」と甘納豆の専門店「銀座鈴屋」のコラボギフトを限定で用意した。また、業務提携するセブン&アイ・ホールディングス傘下の百貨店、そごう・西武のオリジナルギフト「ごっつお便」も扱う。

〈コンビニはユニークな特集を展開、すそ野の広がりを担う〉
コンビニエスストア(CVS)は近所の店舗で気軽に注文できることから、提携する百貨店やグループのスーパーからの厳選品を扱うことで、ギフトのすそ野の広がりを担っている。

セブン-イレブン・ジャパンはグループの百貨店、そごう・西武の選べるギフト「ごっつお便」を扱う。ファミリーマートは三越、デイリーヤマザキは松坂屋の厳選ギフトを扱う。ミニストップはグループの大手スーパー、イオンが展開するPB「トップバリュ」のギフトをラインアップする。ローソンはグループの高質スーパー、成城石井のオリジナル商品を扱う。

その一方で独自商品の展開も活発だ。ファミリーマートは伊勢エビや伊勢うどんなどの「伊勢名物グルメ」、人気のサバ缶や焼きサバ、煮サバなどの「サバ特集」、たっぷり1kg入りのずわいがにや辛子明太子、ベーコンなどユニークな特集を展開する。

ローソンは北海道の「本漬鮭」「新巻鮭」、新潟の「塩引鮭」、青森の低温熟成サーモンなどの「鮭」を特集した。ポプラは日本で初めてバウムクーヘンが焼かれてから100周年を記念し、日本各地の特徴あるバウムクーヘンを集めた。