〈コンビニ各社、生活用品で個性発揮へ〉
ローソンへの「無印良品」の導入が5月中に100店に達する見通しとなった。2020年6月から都内3店で実験導入を始め、現在は東京・埼玉・千葉で導入店舗を拡大している。ローソンによると、現時点ではあくまでも実験で、様々な立地条件の店舗に導入することで、顧客のニーズを見極めている段階だという。

扱い商品はレトルト食品、菓子から、キッチン用品、掃除・洗濯用品、スキンケア用品、靴下などの衣料品、文具と多岐に渡る約500品目。店内で7台程度の専用棚を設け、かなりのスペースを割く。今後はローソン限定の「無印良品」商品の開発も検討していくという。

「無印良品」は「地球環境や生産者に配慮した素材を選び、無駄を省くことで、自然でシンプル、リーズナブルなくらしの基本商品」がコンセプト。SDGs(持続可能な開発目標)への配慮が根底にある。

「無印良品」は近年、スーパーマーケットとの共同出店に力を入れている。くらしの基本の「食」を提供するスーパーマーケットと一体化することで、より地域に密着できるためだ。直近では「クイーンズ伊勢丹」と共同出店した関東最大規模店「無印良品港南台バーズ」を、横浜市に5月14日に開店した。

「無印良品」を展開する良品計画によると、ローソンとの取り組みは、もっと身近で「くらしの基本商品」を、いつでも購入できることを目指したものだという。

コロナ禍でコンビニエンスストアの使われ方も変化してきた。近所で生活必需品をまとめて購入したいという需要は高まり、コンビニ各社では生活用品の拡充で、個性を発揮するようになってきた。

この間ライフスタイルを見直す人が増え、「無印良品」に共感を持つ人も増えている。良品計画の業績も好調で、2021年8月期第2四半期の国内売上高は前期比7.6%増と伸長している。人気が高まる「無印良品」の導入は、ローソンにとっては追い風だと言える。

〈ファミマは「無印良品」の扱いを終了、生活用品を自社開発へ〉
「無印良品」は2019年1月までファミリーマート全店約1万6,000店で取り扱われていた。両社は元セゾングループで、1980年に「無印良品」は西友のPB(プライベートブランド)として開発され、「ファミリーマート」は西友の小型店事業部として発足した。1990年代のセゾングループ解体後も、ファミリーマートでは文具を中心に約80品目の「無印良品」を扱い続けた。

果たしてファミリーマートが「無印良品」の扱いを終了し、生活用品を自社開発に切り替えたことは吉と出るか。ファミリーマートは今年3月、衣料品の新PB「コンビニエンス・ウェア」を立ち上げている。
ファミマ「コンビニエンス・ウェア」

ファミマ「コンビニエンス・ウェア」

世界的なファッションデザイナー・落合宏理氏がデザインし、従来の緊急需要での衣料品ではなく、「いい素材、いい技術、いいデザイン」をコンセプトに、Tシャツ、靴下、下着などおしゃれな日常着を提案する。素材にはファミリーマート親会社の伊藤忠商事が開発した再生ポリエステルを使い、こちらもしっかりSDGs配慮をアピールする。昨年11月からは、キッチン雑貨を本体価格100円均一で、PB「ファミリーマート・コレクション」から順次発売している。
 
コンビニ最大手のセブン‐イレブン・ジャパン、4位のミニストップは、それぞれグループの大手スーパー(イトーヨーカ堂、イオン)主導で開発した割安な生活雑貨のPB商品があり、それらを積極導入することで、顧客の需要に応えている。