コンビニ大手3社、非食品強化でワンストップ実現 セブン「ダイソー」ローソン「無印良品」全店導入へ、ファミマ「コンビニエンス・ウェア」は売場2倍に

ローソン「無印良品」全店導入は2023年中を予定
コンビニエンスストア大手3社が、日用衣料や生活雑貨など非食品の品揃えを強化している。

コロナ禍で買い物頻度が減り、ワンストップショッピングへの需要が高まっていることへ対応するためだ。セブン-イレブン・ジャパンは100円ショップ「ダイソー」の日用雑貨を6月までにほぼ全店に導入する。ローソンは生活雑貨店「無印良品」の商品を2023年中に全店に導入する。ファミリーマートは2021年に立ち上げた日用衣料の新PB(プライベートブランド)「コンビニエンス・ウェア」の売場スペースを2倍に拡大する。

大手3社がこぞって非食品を強化しだしたのは、従来の品揃えは「間に合わせ」のものばかりで、顧客から当てにされていなく、チャンスロスを起こし続けていたためだ。新型コロナウイルスの感染が拡大したこの2年余り、顧客は買い回りをせずに、できるだけ1カ所で生活に必要なものを買い揃えたいという気持ちがあったが、コンビニはその需要には応えていなかった。

ついで買いで利用されていたコンビニは、人の移動が減ったことで客数が減少している。従来以上に来店動機を増やさなければ客数回復は難しい。限られた売場スペースで、「間に合わせ」の商品が並んでいた非食品の棚は、店舗全体の効率も落としていた。ここにメスを入れることが、今後のコンビニ復活のカギになる。

〈セブンイレブン「ダイソー」導入で需要変化にスピード対応〉
自前主義だったセブンイレブンがダイソーと組んだのは、「需要の変化にスピード感を持って対応するため」(青山誠一取締役執行役員商品本部長)としている。

セブンイレブンは「ダイソー」消耗雑貨を6月までに全店規模へ

セブンイレブンは「ダイソー」消耗雑貨を6月までに全店規模へ

 
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取り扱い商品は使用頻度の高いキッチン周りの消耗雑貨がメインで、ゴンドラ1本の上4段で展開する。一方でファミリーマートは一昨年秋から、ラップ、スポンジなどキッチン周りを中心にした消耗雑貨を、本体価格100円均一の購入しやすい価格で、自社PBからラインアップしている。
 
 〈ローソン「無印良品」は衣料、レトルトカレー、菓子など約200品目〉
ローソンは2020年6月から都内数店舗で「無印良品」の商品の取り扱いを始め、昨年春に首都圏の100店超に拡大して検証を重ねてきた。取り扱い品目は化粧水、文具、バス・トイレ・キッチン雑貨、靴下などの日用衣料、レトルトカレー、菓子など約200品目。導入店ではゴンドラ7~10本程度の売場を割いて大規模に展開している。

ローソンの「無印良品」雑貨商品

ローソンの「無印良品」雑貨商品

 
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「無印良品」を展開する良品計画は昨年夏に策定した中期経営計画で、これまで都市部に偏っていた店舗網を改め、全国津々浦々に店舗展開し、日本国民全員に利用してもらうことを目標に掲げた。各地域の有力食品スーパーと共同出店することで、生活必需品がすべて揃う拠点を全国に展開していく。それを補完する取り組みとして、食品スーパーよりさらに身近なコンビニで、いつでも「無印良品」の商品が購入できるようにするためローソンと組んだ。
 
ローソンはこれまでの検証に一定の手応えを得て、今月から「無印良品」の導入店を一気に拡大する。まず今後半年で関東甲信越の5000店に導入し、2023年中に全店に導入する。
 
〈ファミマ「コンビニエンス・ウェア」“おしゃれな日常着”で衣料品の売上倍増〉
ファミリーマートは従来の緊急需要での衣料ではなく、素材と技術、デザインにこだわったおしゃれな日常着を提案するため、世界的ファッションデザイナー・落合宏理氏のデザインによる衣料品の新PB「コンビニエンス・ウェア」を2021年3月に立ち上げた。Tシャツ、靴下、今治タオルを扱い、昨年は衣料品の売り上げが前年の2倍以上になった。

ファミリーマート「コンビニエンス・ウェア」の今治タオル

ファミリーマート「コンビニエンス・ウェア」の今治タオル

 
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2022年は3月に新商品「ショートソックス」を発売し、Tシャツや今治タオルに新カラーを追加した。靴下の品目が増えるため、靴下専用什器を導入し、売場スペースをゴンドラ1台から2台に増やしている。今後はそのほかのカテゴリーも順次追加し、「コンビニエンス・ウェア」全体で前期比5割増の売り上げを目指す。

ファミリーマート「コンビニエンス・ウェア」のショートソックス

ファミリーマート「コンビニエンス・ウェア」のショートソックス