ディズニーが注力するプロジェクト「ディズニー ヘルシー・テイメント」をご存じだろうか。

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あらゆる面でサステナビリティ(持続可能性)の観点が求められている現代、ディズニー作品の「ストーリー」の力で、パートナー企業の「人や社会や地球をヘルシーにする活動」を楽しい体験として昇華し推進していくプロジェクトだ。

「体を整える」「身に着ける」「家で過ごす」「未来を知る」という4つの分野から、商品の物質的な豊かさだけでなく、ゲスト一人一人の心を豊かにするような、ヘルシーでサステナブルなアイテム、サービスを世に生み出していく取り組み。2022年7月現在で約15社の企業と推進している。
「ディズニー ヘルシー・テイメント」体を整える・身に着ける・家で過ごす・未来を知る

「ディズニー ヘルシー・テイメント」体を整える・身に着ける・家で過ごす・未来を知る

「体を整える」の食に関する分野では、食品メーカーなどと連携し、パッケージにディズニーキャラクターをデザインした商品として、「森永のおいしい牛乳」(森永乳業)、「はじめて食べるもち麦」(はくばく)、「β-カロテントマト」(カゴメ)、「金のつぶ たれたっぷり! たまご醬油たれ 3P」(ミツカン)などを展開してきた(発売日順)。

ディズニーライセンシー商品の一部©Disney

ディズニーライセンシー商品の一部©Disney

ウォルト・ディズニー・ジャパンのバイスプレジデント&ゼネラルマネージャーである井原 多美氏によると、「ディズニー ヘルシー・テイメント」の取り組みでは、単純にディズニーキャラクターをデザインしたパッケージの商品を販売するのではなく、「楽しい方を選んでいたら知らないうちに、自分の健康や地球環境にとってよい選択をしていた」という状況を作り出したいのだという。なぜ“今”プロジェクトに注力しているのか、また、プロジェクトを通じて何を目指すのか。井原氏に話を聞いた。

ウォルト・ディズニー・ジャパン井原氏

ウォルト・ディズニー・ジャパン井原氏

井原氏によると、「ディズニー ヘルシー・テイメント」では、食品メーカーなどが展開する商品やサービスに、ディズニーがエンターテイメント要素の「楽しさ」を加えることで、注目度を高めることや手に取ったり体験したりするきっかけづくりに寄与することを目指すとしている。
 
「ディズニー ヘルシー・テイメント」の“ヘルシー”には、人にとっての健康という意味だけでなく、地球にとっての健康、つまり環境に優しいという意味も込められている。プロジェクトの開始から2年弱が経過し、コンセプトに共感した企業との商品化は徐々に増えている。パートナー企業からは、新規顧客の開拓につながったというフィードバックもあるという。
 
〈なぜ“ヘルシー・テイメント”か ~原理主義は楽しくないし続かない~〉
井原氏は「新型コロナウイルス感染症が拡大して以降、運動不足や健康意識の高まりによって、運動習慣や食生活を見直す動きが大きくなりました」と語る。
 
健康を訴求する食品の展開はこれまでにも、ディズニー独自に塩分や糖分、カロリーなどの基準量を定めたガイドライン「ディズニー・チェック」を適用した商品を食品メーカーとのライセンシー商品として販売してきた。

「ディズニー・チェック」マーク©Disney

「ディズニー・チェック」マーク©Disney

しかし、それだけではなく“ディズニーが持つストーリーの力”が、「継続していくための楽しさや始めるためのきっかけづくりに貢献できる」との思いがあったという。
 
「『ディズニー ヘルシー・テイメント』の主役は、あくまで商品やサービスを提供しているパートナー企業。私たちディズニーだけでは難しいことでも、食に関するエキスパートのライセンシー企業さまと組むことで、今までできなかったことが少しずつ実現できていて、とても意義を感じています」。
 
加えて、昨今のSDGs(エス・ディー・ジーズ=持続可能な開発目標)への意識の高まりも取り組みの開始を後押しした。
 
〈根幹にウォルト・ディズニーの“映画作りへの思い”〉
“楽しい方を選んでいたら知らないうちに、自分の健康や地球環境にとってよい選択をしていた”という状態を作り出すことを目指す「ディズニー ヘルシー・テイメント」の根幹には、ウォルト・ディズニー・カンパニーの創業者ウォルト・ディズニー氏の映画作りへの想いがあるという。
 
ウォルト・ディズニー氏は映画を作る際に、ストーリーを楽しむのはもちろん、見た後で例えば「勇気を持つこと」や「友達の大切さ」など、大事なテーマを体感できる作品にすることを意識していた。

©Disney

©Disney

「原理主義のように“常に必ずヘルシーな選択をしなくちゃいけない”というのは、堅苦しくて楽しくないし、継続するのも難しいと思います」(井原氏)。「ディズニー ヘルシー・テイメント」でも、“メッセージを伝えようとするのが先ではなく、まずは楽しんでもらうのが先”ということだ。
 
ウォルト・ディズニー・カンパニーでは、テーマパーク内の食事や市販スイーツなど、非日常やお祝いのシーンに最適なフードや食品を多数展開している。
 
「アメリカのチートデーのように“食事制限をせずに好きなものを食べていい日”があるというのは、とても大切だと思います。余裕やフレキシビリティ(柔軟性)を持たせつつ、ヘルシーな選択肢も提供する。その両方があって、その時々で選べることが継続するために重要だと考えます」。
 
井原氏は、“人や地球がヘルシーになること”に関心がある人は多いものの、情報過多な現代では「そのためにどのようなアクションを取ればいいのかわからない」という人が多いのではないかと話す。そのような中、理想のひとつとするのが、自然に気楽に選択できるように環境を整え、「ディズニーライセンシー商品を選んでいたら、“結果的に人や地球がヘルシーになっていた”」という形だ。
 
井原氏はまた、“知ること”も大切だとする。「商品に含まれる栄養や使われている技術、日本の伝統的な食文化など、食に関する知識について知ることは、自分の中での新しい発見になって、楽しむことにもつながっていくのではと思います」。
 
今後、「ディズニー ヘルシー・テイメント」では、「新しい知識を得ること」「運動など体を動かすこと」「再生素材などを使った地球にやさしい選択肢を増やすこと」などの取り組みも増やしていきたいという。井原氏は「例えば大豆ミートなど、新しい技術や“新しい食の楽しみ方”について、認知向上やトライアルのきっかけづくりに寄与できたらうれしい」と語った。
 
◆「ディズニー ヘルシー・テイメント」(ウォルト・ディズニー・ジャパン)